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もうひとつの幻想 45

「確かあいつらは動くものをみると、餌とみて襲いかかってくる傾向がある、と図鑑でみた。下手に動かない方がいい」
「この先に進まないといけないのに、動かないわけにはいかないでしょ?あいつらってなんか害があるの?」
 私はため息をついた。
 


 このチェリーゼリーというモンスターはとても有名というわけではないが、その個性的な名前からして、以外と知っている人は多い。
 ハーブも学生のとき一度は写真なんかを見たはずだが、ものの見事に忘れてしまっているようだ。 


「あいつらに黄色っぽい毛が生えているだろう?」
 風など吹いていないはずなのに、その毛はさわさわと揺れている。
 奴さんが元気に活動中である証拠だ。
 あれの動きが鈍ったり、ピンクがくすんでくると元気のない証拠である。


「あれにさわると一瞬だけだが、強力な呪縛の魔力が流れるようになっている」
「呪縛の魔力?」


 呪縛の魔力というのは魔力そのものに効果を付着させるものだ。
 魔法は魔力の形を変えて攻撃したり、ものを作り出したりするものだが、魔力自体もいくらか攻撃ができる。
 高密度の魔力で体が溶けるのもその例だ。


 そして、魔力自体に呪縛の力を付着させると、その魔力の量に応じて、体が動かなくなる。
 ちなみに呪縛の魔力以外には凍結、沸騰などいろいろとある。
 しかし、魔力自体に力を持たせるとなると、相当の技量が必要になり、魔力に効果を付与させるよりかは普通に魔法を使った方が効果的であるといえよう。
 なので、魔力自体に効果を持たせて危害を与えてくるもの、というのはモンスターくらいしかいない


「そうか、それじゃあいつらの毛みたいのにさわっちゃいけないんだね」
「そうだ」
 あいつらの毛に触れると一瞬だけだが体が全く動かなくなる。
 そして一度動きが止まるとその隙をつき、一斉に襲いかかってくるのだ。
 そして次々に毛が体に触れ、動けなくなったところを引っ付きあって巨大化したチェリーゼリーが飲み込むのである。
 相手の量によっては大型の獣だって飲み込まれてしまう。


 ただ毛に触れさえしなければ、相手は弱い。
 しかし、武器からでも間接的に魔力が伝わるため、剣など武器で攻撃することはできない。
 なので、魔法や、弓矢など手からはなして使用できる武器で攻撃するのが得策だ。
 ここは魔法でこいつらを片づけるのが一番の手だろう。


「精霊を使う。一応下がっておいて」
 私はハーブを後ろにやり、心の中で精霊に呼びかける。
 ここには水たまりなど多量の水はないが、辺りはかなり湿っている。
 これならあまり苦労せずに氷を作り出すことができるだろう。
 できるだけ敵に気づかれないよう、通路に身を隠し、私は氷を生成することにした。


 空中に水分が集まっていくのを後目に私はゼリーの様子をうかがった。
 もうこちらの様子に気づいたのだろうか、奴らは今壁から離れつつあった。
 これは危険だ。
 私たちの魔力に反応しているのかもしれない。


 奴らに目はないが、魔力の流れを敏感に感じ取ることができる。
 魔法を使える生き物は何もしなくても微量な魔力が体外にでている。
 中には全く魔法が使えない、体に全く魔力のたまらない人もいるが、そんな生き物、ましてや人は逆に希少である。


「ハーブ、一応魔法壁の準備を」
 私はハーブに私を援護するよう指示を出すことにした。

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