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もうひとつの幻想 46

 ハーブはすぐに呪文の詠唱を始め、私は彼女が呪文を唱えている間、氷の数を増やした。
 しかし、短時間で生成した氷だけで、全てを倒すのは難しいだろう。
 いくらか数を減らした後、残ったものを凍り付けにする作戦でいこう。
 ユナさんはできるだけモンスターなどを傷つけるな、といっていたが、モンスターよりは私たちの命の方を重んじてくれるはずだ。


 そして、ハーブは詠唱を終え、魔法の名を言う手前で口をつぐんだ。
 これで、呪文の準備は完了だ。
 これで然るべきタイミングでハーブは魔法の名前を言えばすぐに魔法は発動される。
 タイミングについては、私と同じく場数を積んでいるハーブのことだ、わかってくれるだろう。


 そして私はおおきくいきをすうと、モンスターたちに人差し指を突きつけた。
「ゆけい!」
 とたん氷の刃は群をなし、ゼリーにつっこんでいく。


 この瞬間から戦闘が始まった。
 ゼリーたちは私の動く音、そして声から、私とハーブの潜む位置を寸分違わず特定し、一斉に飛びかかってくる。
 そこをいくつかの氷が切りさき、私にゼリーの一群がぶつかる直前、魔力によってできた壁が私の目前へと出現した。
 勢いあまってつぶれるゼリーを後目に私は次なる氷を用意する。


 もうさっきのように魔力を温存しながらちまちまと氷を作っているのでは間に合わない。
 思ったよりあいてはすばしっこいようで、氷の刃は予想以上に的をはずれてしまったようだ。
 私は魔法の型を変更することにする。


 そして、魔法壁を維持しているハーブのほうはなにやら、リュックを漁っていた。
 何をしているのか聞いている間はないので、口は挟まないが、彼女が私の邪魔をしないことを心の底から祈るばかりだ。
 


 そして私は砕けてしまった氷の破片も再利用して、今度は巨大な氷の塊を作り上げた。
 それを広場の天井ぎりぎりまであげる。
 


 ゼリーたちは様子をうかがうように私たちから距離をあけ、宙をふわふわと漂っている。
 私たちが隙を見せたところで襲いかかってくるつもりなのだろう。
 だが、隙だらけなのはおまえたちのほうだ!
 


 私は氷の塊を手をかざし、破!と一言、氷を砕いた。
 細かな破片が目もくらむスピードで降り注ぎ、ゼリーの体を貫いていく。
 大事なチェリーが潰れてしまった、ゼリーの残骸が床へとたまる。


 やった!と思ったつかの間、一瞬無防備になった私へ向かって、いつの間にか巨大化したゼリーがつっこんできた!
 予想外の事態に身動きがとれない私。
 目の前の魔の壁には亀裂が走る。


「そんな!」
 薄い桃色の職種が壁を突き破り私へと伸びてくる。
 私は思いきり目をつぶった。

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