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もうひとつの幻想 47

「降れし、斬撃!」
 不意に後ろから声がした。

 驚いて目を開けると、さっき私が出した氷の塊が浮かんでいた辺りにに光の塊が現れ、そこから稲妻のようなものが雨のように降っている。
 それは次々にモンスターのゼリー状の体を貫いていった。
 振り返ると、ハーブが杖の形を取った杖を振りかざしている。


「ハーブ・・・」
 彼女はいつの間にか黒いローブを羽織っている。
「私も実は魔法の特訓してたんだ。ルビーにだけいいかっこさせないもんね!」
 私は目を瞬かせた。
「そんな理由で?」
 私に負けたくないから?
 今のままのハーブでも十分私くらいの力は持っていると思う。
 ただ私と系統が違うだけで。


「私は今まで、ルビーやフロートが戦っている間、後ろで見ていることしかできなかった」
「いや、そんなことはない。十分役立ってくれた」


 確かにハーブはいつも後ろにいた。
 しかしそれは仕方のないことだ。
 魔法使いが後ろに待機するのは当然のことである。
 前に出られたらすぐに非力な魔法使いはやられてしまうからだ。
 それに後ろにいることで安定して魔法を発動させられるし、適切な判断が下せる。
 彼女の援護のおかげで命を救われることも何度もあった。
 そう、魔法の形は違えど、今のように。


「ルビーはさ。精霊を使えるから、攻撃だけじゃなく、使おうとしたら補助魔法みたいな力も使えたもんね」   

 氷で壁を作ったり、敵を凍り付けにしたりさ。
 とハーブはため息をついた。
 私は居たたまれない気持ちになり、ハーブから視線を逸らした。
 


 ゼリーたちはハーブの魔法により一掃されたようで、もう私たち二人以外に動く物はいない。
「でもね!今は私攻撃用の魔法も使えるようになったから!これで、もっとルビーたちのためになる動きができると思う!」
 私はもう一度ハーブを見つめた。


 私より少し背の低い彼女は黙って私の顔を見上げている。
「そうか、それは、心強い」
 私は今まであまり使わなかった笑顔を浮かべた。
 今みたいな心からの笑顔は久しぶりだ。
 今まで苦笑いしかしてこなかった気がする。
 これも今まで冒険続きだったからか。


 そしてハーブもとても晴れやかな笑顔を浮かべた。
「これからは先頭要員としても期待しててよね!」
 胸を張るハーブに向かってためいきをつかずにすんだのはいつぶりだろう。

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