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もうひとつの幻想 48

 数十分間、特に代わり映えのしない岩壁の道が続いた。
 相変わらず周囲は薄暗く、光球なしでは先に進めない。 

 いくらか道が曲がりくねったり、上り坂、下り坂あったが、分かれ道や障害物は全くと言っていいほどなかった。
 


 そして不意に道が開ける。
 道は先ほどチェリーゼリーが現れた場所のように広がっており、広場のようになっていた。
 しかし、さっきの広場よりもここの方が何倍か広い。
 そして広場の奥に見えた物に私たちは息をのんだ。


 というのも、今までずっと続いていた通路に終止符が打たれていたからである。
 目の前には通路の代わりに、木の戸に金属の飾りのついた大きな扉があったのだ。
 ここからその扉まではなかなかに距離があり、私の少し前で浮かんでいる光球では広場の全貌と、木のドアの詳細をつかむことはできなかった。


「どうするの?」
 ハーブが少し眉をしかめ聞いてくる。
 ここまできて嫌な魔力の流れは強さをうんと増していた。
 きっとあのドアの先に原因があるのだ。
 あのドアを越えていかなければ。


「とにかくこの広間を照らしてみる」
 今のところ特に何かの生き物、モンスターなどの気配はしない。
 魔力の流れも一定で、何か動くものがいる様子はなかった。
 ここはとりあえず、部屋の全貌をつかもう。


 私は両手を会わせ、魔力をためる。
 そして手を離し、今前方に浮かんでいる光球より大きな物を作り出した。
 これを広間の方に向けてとばし、天井近くまで持ち上げる。
 だんだんと明かりが広がり、部屋を見渡せるようになっていった。


 そして、よく見えるようになった広間はさっきモンスターがいたような丸っこい場所ではなく、少し四角い部屋だった。
 少し部屋の中に足を踏み入れ、周りを見渡してみると、四つ角に池のような水たまりが見える。
 特に何もいないようではあるが、用心するに越したことはない。


 私たちは周囲に注意しながら、ドアの方へ進んだ。
 ドアを飾っている金属は、飾りと言うよりは、ドアの補強に使われているようだ。
 もしかすると封印としても使われているのかもしれない。
 この魔力は封印の力が薄れて奥の部屋から漏れ出ているのかも。


「不気味だ」
 私は思わずつぶやいた。
 横を歩くハーブがかすかにうなずく。
 光球に照らされ、幾分か部屋は明るくなっているが、まだ薄暗い。
 相変わらず不気味な空気に変化はなかった。


 そして、いくらか扉に近づいたとき変化は起きたのだ。
 いきなり四方から水音がし、私の心臓がはねた。

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