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もうひとつの幻想 58

「そこ、確かに最近夜になるとドラゴンらしき大きな陰が近づいてくるっていう話を聞いたわ。あながち、彼の話ほんとだったりして」
「そうだよ! 僕の話はほんと! 僕は人間からはマグナリアスって呼ばれているドラゴンの子供なんだよ!!」


「マグナリアス!」
 ユナさんが目を見開いた。
 何だ、それは。
 確かにその名前はマグマを彷彿とさせる熱そうな名前ではあるが。
 それがドラゴンの名前なのだろうか?
 ドラゴンに会うというのは滅多にある事ではないので、私はドラゴンについての知識はほとんどないのだ。


「マグナリアスは伝説とされているドラゴンじゃない! 本当にそれがいるの?」
「もちろんだよ! 実際に僕がそうだもの」
 ユナさんはまたここで考え込んでしまう。


「そうだ! 僕を元の場所に返してくれるんなら、お父さんやお母さんに会えると思うよ! ねぇ! 僕を元の体に戻して!」
「なんですって?!」
 そのときのユナさんの迫力たるやすばらしかった。
 あまりの勢いにもやもやの彼が吹き飛ばされてしまったくらいだ。


「その、熱そうなドラゴンってそんな珍しいんですか?」
「熱そうなって、あなた…。珍しいなんてものじゃないわ! 伝説なのよ! 生きているかどうかもわからないくらいだったんだから!」
 ユナさんの熱意には相当なものがある。
 きっとそのドラゴンはかなり有名ではあるが、実際に見た人というのは少ないのだろう。
 そんなに珍しいならぜひ見てみたいものだ。


「分かったわ。こちらからラムザの方に仕事を作っておく。ちょっとあなたはここにいなさい」 
 ユナさんはもやもやを手招きすると、私を見た。


「それでルビーさんは、精霊の研究を手伝って頂戴。約束したわよね?」
 そうであった。
 あの洞窟に入る前、条件の一つに私の精霊を研究させてほしいとユナさんが言っていたっけ。
 つまりは私があのもやもやを送り届ける事はできなさそうだ。
 だからユナさんはわざわざラムザに仕事の要請を出すと言っているのか。


「えぇ、ぜひ、ここで精霊の研究をさせてください」
 私はドラゴンなどにあまり興味はない。
 それよりか目前の精霊について研究している方が性に合っている。


「それなら、早速…」
「あぁ、ちょっと待ってください!」
 すぐにでも研究についての話を始めようとしたユナさんだったが、私はそれを遮った。


「実はこの後ちょっと用があるんです。その用を済ませたらこちらに向かいますので、少し待ってもらえませんか?」
「あぁ、そんな事なら」
 ユナさんはそう言いつつも少し不満げな表情をしたが、すぐに笑顔を浮かべた。

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