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もうひとつの幻想 60

「私は、ルビー・クラウン。ルビーと呼んでくれ。君たちの先輩だ」
 私が自己紹介すると、ケイと名乗った青年は、軽く会釈をし、私の後ろを見た。


 振り返ると少し離れた所でいつの間にかハニーと再会し、ぴょんぴょん飛び跳ねているハーブの姿があった。
 その傍らにはカッシュカッシュとでかでかと書かれたエプロンを着た青年がたっている。
 確かこの店はカッシュカッシュという名前だったな。
 この店は一人で切り盛りしていたと聞いたから、きっと彼がこの店の店長だろう。


 私はケイという青年に視線を戻す。
「彼女は私の相棒。ハーブ・アイリアという」
「あぁ、ハニーさんの親友だっていう!」 
 そこで彼は大いに頷いた。 
 どうも彼は既にハニーには会った後のようである。


「いよっ! ルビー! 久しぶりだな!」
 そして私の後ろで当のハニーの声が。
「いや、昨日の朝会ったろう?」
 私の言う事は尤もなのだが、彼女はなってないなとでも言うように肩を竦めた。
「何だよ、つれないなー」


 パタパタとせわしなく羽を動かしながら、2本の腕で肩を竦めるような動きをし、もう2本の腕を組み、残る2本足はあぐらをかくように曲げている。
 彼女はやはり相変わらず手に乗るほど小さかった。
 しかし、バイトをする事で、いろいろと鬱憤を晴らしたのか、普段より、腹の縞模様の艶がよく、お尻の針も輝いて見えた。


「ま、とにかくさ、ハーブとルビーもポップカッシュと、私が仕入れてきた密で焼いたクッキーでも食べていきなよ!」
 彼女はそう言うが早いか、可愛らしい触覚をふわふわと機嫌よく揺らしながら店の奥の方へと飛んで行ってしまった。


「カッシュー! 準備準備!」
「はいはい!」
 そんな彼女の声を聞いて、店長らしき青年が駆けていく。
 明るい橙の髪に眼鏡、雀斑の目立つ頬、間近で見た彼の顔はどことなく愛嬌のあるものだった。
 ハニーにはカッシュと呼ばれていたが、それは本名なのだろうか?
 分からないが、彼は既にすっかりハニーと打ち解けているようだ。

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