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RAINBOW STORY - 117 Yearning -

「そのリーダーってさ、何なんだ? 王様みたいなもんか?」
 人間界でリーダーといえば、小さめの組織の頭領みたいなイメージがあるな。 
 たとえばパーティのリーダー、とかさ。


「リーダーはリーダーだ。ねこボン社会の頂点、そして最も力があるお方だ」
 ヌーは黒い肉球がかわいらしい手をプルプルと震わせた。
 どうも彼は相当ジルにお熱らしい。


「ヌーみたいなねこボンは今時珍しいんだよ。最近の若いねこボン達はこの島に閉じこもって生きるのは嫌だって、魔法を使って島の外に出ていっちゃうんだよ」
 スーが鼻にしわを寄せて言う。
 今この島のねこボン達は数が減ってきているらしい。
 そして、時たま昔出て行ったねこボンが年をとって帰ってきて、島には年寄りばかりが増えていっているのだとか。
 でも、帰ってくるねこボンは本当に珍しく、島の外は未知の世界、出ていったきり音信不通になって、ほとんどのねこボンが帰ってこない。
 人間に捕まったり、野生化したりして、ねこボンは今、減少の一途をたどっているそうな。


「ねこボン界には今、変革が必要なんだ。新たなリーダーがいる。僕らを救ってくれる指導者だ!」
 ヌーは立ち上がる。
 しかし、燃えているのは彼だけ、兄弟達は皆黙って座ったままだった。
 どうもねこボンはねこボンでいろいろと問題があるようだ。


 ブラストはそんな彼らを引っ張っていかないといけないのか。
 俺はリーダーという言葉に憧れを持つものの、彼らを引っ張っていくような力はないだろうな。
 だって馬鹿だもの。


「そういえば君らってどれくらい生きれるんだ?」
 ブラストはねこボンの寿命についても言っていたが、確か住んでいる場所や細かい種類、血統によっても彼らの寿命は大きく変わるらしい。
 ただ、どんなねこボンであれ、モンスター化すると、寿命は50年ほどに縮むそうだ。
 ブラストによるとねこボンは長寿の生き物で、短くても100数年は生きるらしい。 


「僕らは長くて200年くらいだね。ねこボンでいうと中間くらいの長さかな」
 200年!
 人間と比べるとそれでも随分と長寿だ。
 小さい割に長生きをするんだな。


 そういえば、フラウが言っていたけど、人間というのは世の中の生き物や、モンスター、他の種族と比べて寿命が短いらしい。
 100年近く生きれれば、俺は十分だけどな。
 しかし、中には人間でも魔法の力やいろんな力のおかげで、数百年生きている人もいるという話も聞いたことがある。


「そういえば、リーダーってどれくらいの周期で入れ替わるんだ?」
 ジルはブラストの前リーダーをしていたようだが、どうも若いように見えた。
 人間の姿になっていたときだって、俺よりずっと年下みたいに見えたし。


「リーダーチェンジにはあまり周期というか、決まった時間というのはないね。でもだんだん期間が短くなってきてる」
 スーが少し困ったような顔でいう。
「確かにヌーの言う通り、世は変革の時期なのかもね。みんな新しいリーダーを欲しがっているんだ。だから、まだリーダーに就任したばかりだったジルさんも、ブラストっていう人間に、リーダーの地位を譲ったんだよ。きっとジルさんはあの人から何か感じたんだろうね」
 確かに最初会ったときジルは、ブラストから何か感じると言っていたような気がする。


 しかし、ブラストがねこボン界を変えられるとはなかなか思えない。
 でも、あいつが好きなものといえばこのねこボンくらいだ。
 もしかしたら、ブラストは何か大きなことをやらかすのかもしれない。
 いや、ブラストの持っていたあの魔石に選ばれた時点で、あいつはきっと世の中を変えることが決定されていたのだろう。
 なにやら俺の中で嫌な気持ちが渦を巻き始める。


 俺だって、勇者になりたい。
 ブラストと何が違うっていうんだ?
 確かにブラストほど勉強はできないけど、運動能力なら俺の方がずっと上のはずだ。
 それにブラストは魔法が使えない。
 俺はいくつか魔法を扱える。
 炎や風を少しは使うことができるんだ。


 なのに何でブラストなんだ?
 ただねこボンが好きだっていうことで、勇者?
 俺も何か好きなものができれば勇者になれるのかよ。
 誕生石だってブラスト以上に変わってるっていうのに……。


「フレア……?」
 不意にレイさんが俺の顔をのぞき込んできた。
「あ、いや、俺なんか変な顔してたか?」
「すごく……怖い……顔」
 レイさんはそれだけ言って、すっと俺の前からよけた。
 再びレイさんは、さきほどと同じように俺の隣に腰掛ける。


 どうも俺は、無意識のうちに考えていたことが顔に出ていたらしい。
 全く、そんな怖い顔してたなんて俺らしくもない。
 それに何をくよくよ言ってるんだ。


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