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RAINBOW STORY ? 126 Recollection

「俺の色じゃない・・・か」
 


 ブラストはもうすでに勇者としての感覚を持ち始めているのかな。
 あの言葉はブラストが考えていったものじゃなくて、自然に口からでていた様な気がした。
 


 俺はため息をつきそうになったので、慌てて多きくいきをすってはいた。
 ため息をつきそうになったときは思い切り息を吸え、そうしたらそれはため息じゃなく、深呼吸になる。
 そう言ったのは誰だったろう。
 思い出せない。
 


 俺はふかふかとしたベッドに倒れ込んだ。
 今俺達はねこボン達の住む島に別れを告げ、リプちゃんに揺られている。
 あの島に行ってまだ1日と経っていないのに、何日も過ごしたような気がした。
 


 思えばいろんな事があったな。
 まず、ジルとの出会い。
 金に目がくらんだリリスがジルをブラストに捕まえさせようとしたのが始まりだったっけ。
 そのときブラストはねこ耳やらしっぽやら、肉球グローブといったものを着せられ、しかもそれはリリスが持っていたわけじゃなく、ブラストの私物だっていうから驚きだったよな。
 


 ブラストが意外にもねこボン好きだというのが発覚し、しかもそのことからねこボンのリーダーになるような話が持ち上がる。
 それで俺達はみんなで、試練の洞窟っていうのに挑戦したんだっけ。
 


 入り口から急に落とし穴みたいになってて、俺は穴の中に落っこちちまったんだっけか。
 それから看板を読もうとしたら俺の頭に風呂敷が落ちてきたり、大穴があいていてその先の壁に仕掛けがあったり……。



 そうそう、ねこボゴーレムなんてのもいたな。
 結構苦戦したっけ。
 何せ小さい割にあいつらすばしっこかったからな。


 でもブランやレイさん、そうそう、アイルも大活躍だった。
 アイル今どうしているかな。
 元の世界に帰るって言ってたけど。


 そうだ、その忘れちゃいけないのがアイルのことと、ウェルトってやつのこと。
 ウェルトってのはかなり強くて手強い奴だったんだけど、なぜかそいつと戦っているときの記憶があやふやなんだ。
 そいつと戦っている最中、急に何かが胸にこみ上げてきた、というかなんというか。
 かなり異常な状況になってたみたいだ。


 気がついたらウェルトって奴の姿はなくて、みんなが心配そうな顔で俺を見てた。
 一体あのとき俺の身に何があったんだろう?
 なぜあのとき俺の体に変化が起きたんだろう?


 自分や仲間がピンチだったから自分では気づいていない強力な力が発動したとか?
 でも、記憶がなくなってちゃいくら強くても不安だな。
 一体俺の体はどうなってるんだろう。
 誰かに相談をしてみたいけれど、俺の周りには相談できるような人がいない。
 フラウやブラスト、リリスだと心配かけるしな。
 まぁ、差し迫った問題じゃないし、特に体調が悪いわけでもないし、そんなに気にするほどのことでもないか。


 そうそう、それで、そのあと緑色したぽよぽよした変なのが現れたんだよな。
 学校に魔王が来たときに現れた青ぽよみたいな感じのやつ。
 あの青いぽよぽよしたやつの親戚か何かかな、あいつ。


 でも、大変な目に遭わされたな、あいつには。
 いきなり俺とレイさんは全く見知らぬ土地に飛ばされて、しかもそこにまで魔王どもが追いかけてきたんだ。
 そのときはそのとき助けてくれたいろんな人たちのおかげで助かったし、その後ももとの世界にちゃんと戻ることができた。


 でも、向こうの世界で何日か過ごしたっていうのに、戻ってきたときは飛ばされたすぐ後の瞬間だったっていうのはすごく驚いたな。
 みんなぜんぜん悲しんでねーんだもん。
 まあ、悲しむ間もなかったってリリスが言ってたっけか。


 それで、アイルは緑ぽよには、はめられるようにして、ねこボンのチャイってやつと一緒に元の世界に戻ったんだっけ。


 何となくアイルとはまた会える気がするんだ。
 次会うのはいつになるか分からないけど、そう遠くないうちに会える気がする。


 それで、その後はブラストがねこボンのリーダーになる儀式があったんだよな。
 その儀式の準備中にさっき会ったウェルトって奴を追ってきたブラストの姉ちゃんに会って、ものすごいびっくりしたっけ。
 ブラストに姉ちゃんがいたなんて今まで聞いたことなかったからな。


 かなりスタイルのいい、強そうな姉ちゃんだった。 
 そこでブラストの魔石がねこボンの顔みたいな形をしてたってのが発覚したんだっけ。
 それでさっさとブラストの姉ちゃんは帰っちゃったけど、そのまま、ブラストは儀式に向かったんだよな。

 それで儀式に現れたのがアスカ・リタっていう名前の神様。
 いや、神様って言っても子供みたいだったな。
 リリスくらいの年頃に見えた。
 まぁ、見た目だけだからな。
 もしかしたら何百年、何千年と生きていたのかも。


 それで、ブラストはねこボンのリーダーとして認められたわけだけど、同時に勇者だっていうことも発覚。
 それで、俺達は新たな、冒険の目的を見つけたってわけだ。


 当初は魔王一味にさらわれたと思われる俺達の村の村人を救うっていうのが目的だった。
 もちろん今だってそれが一番の目的だ。


 でも、ブラストが勇者に選べれちまった以上はその諸悪の根元魔王を倒す、っていう使命ができた。
 そのためには、勇者仲間を捜したり、勇者の剣を手にしないといけない。
 一気にやるべきことが増えた上、どれも情報があやふやにしかない。
 今あるのは、勇者の一人は召還士、という情報だけ。


 なので、とりあえず俺達は学校へと帰り、島へ行った当初の目的である、冒険者学校修復用の金を払うべく、魔石を学校側へ渡し、自由の身になる、と。
 それからその学校のある街アイルースで、情報を集め、村人探し、勇者の剣探し、または勇者そのものを探す旅にでる、と。


 そうそう、青ぽよにもちゃんと話を聞いておかないとな。
 あいつなら何か有力な情報を知っているかもしれない。


 とにかく俺達には今やることがてんこ盛りってわけだ。
 俺はいちいちこうやって整理しないとなかなか話を飲み込めない。


 まぁ、小難しい話は当人であるブラストに任せておくことにしよう。
 ブラストなら大抵の話は理解できるはずだ。


 確かアイルース近くの街に到着するのが、昼前だってバロンが言っていた。
 なら、港町からアイルースに着くのは昼になるだろう。
 昼ならフラウ達に話をする時間もたくさんある。
 魔石を学校側に渡す時間だって十分にとれるはずだ。


 フラウの顔が懐かしいな。
 早く会いたい。
 フェザーにだって会いたいな。


 学校にはいろんな人がいたから心細くはないだろうし、フラウは俺よりずっと、いや俺だけじゃなく、リリスやブラストよりもしっかりしていたから、学校でうまくやっていることだろう。
 明日はバロンやこのリプちゃんと別れるのが寂しいが、それでもフラウやフェザーに会うのが楽しみだ。


「そろそろ寝るか」
 俺は大きなあくびを一つ、瞬きを数回。
 俺にしては珍しく、結構長い時間物思いに耽っていたな。
 これで少しは頭が良くなっていればいいな、なんて思いつつ。
 俺は布団に潜り込んだ。


 天井に設置されている機械に向かって手を振る。
 ふっと部屋の明かりが消え、あたりは真っ暗になった。

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