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RAINBOW STORY ? 133 New departure

「あのさ、詳しくは覚えてないんだ。記憶に霞がかかってるって言うか」
 霞?
 俺が首を傾げると、リリスはあわてて顔の前で手を振った。
「あぁ、ぼんやりしてるって意味」
「なるほど」


 俺はあまり言葉を知らない。
 これもほとんど本を読まなかったせいだ。
 冒険や勇者の伝説について書かれた本ならいくつも読んだんだけどな。


「でもね村を出る前に見た気がするんだ」
「それってまだ俺たちが普通に暮らしていたときだろ?」
「うん」
 俺はぼりぼろと頭をかいた。


 アスカ・リタは背中に左右形の違う羽が生えていて、体のあちこちにリングが浮いているような、とても目立つ格好をしていた。
 そんな人を見れば忘れるはずがないんだけど、俺にはあんな人物の姿を見た覚えなんてまったくなかった。
 やっぱりあの島であったのが最初だと思う。


「そうか、フレアは見たことないか」
 リリスがどこか残念そうに、小さく笑った。
 やっぱり他のみんなと同じく、リリスにも元気がない。


 それにしてもリリスはこの話を他の人にはしてないのか?
「ブラストやフラウにこの話したのか?」
「いや、フレアに話すのが最初だよ。ブラストには今こんな話する状況じゃないでしょ?フラウはそのブラストのところに行ってるし」


「え?フラウは今ブラストのところに?」
「そうだよ、フラウはブラストと話をするのを選んだみたい。頭のいい人同士でこれからのことを相談してるんじゃないかな」
「そうか」
 そうだな、ブラストとフラウは村の学校でも成績トップだった。 


 リリスはというと悪くはない、むしろいい方だ。
 でもフラウたちと比べるとまだまだ。
 リリスは少しはその学力の差を気にしてたみたいだけど、俺を見て勉強のことで悩むことはやめた、って言ってたっけ。


 俺は成績最悪だったからな。
 ま、その分運動能力はトップをキープしたけどな。


「フレアだったらさ、気軽に話せるから、私はフレアのとこにきたんだ」
 リリスが珍しくにっこりと笑った。 
「そっか」



 リリスは微笑んだり、ニヤリと笑う、ということはよくあるけど、ぱっと心の底から笑っているような顔をすることは滅多にない。
 何でそうなのかはわからないけど。
 リリスの心からの笑顔を見ると、つられてこっちも笑っちまうんだよな、不思議だ。


「ありがと、フレアと話したらなんかすっきりした。急に眠くなってきたよ、もう寝るね」
 リリスが不意にベッドから腰を上げた。
「お、そうか」
 俺がリリスの姿を見上げると、リリスは少し微笑んだ。


 そして、俺が立ち上がるのを待たずにリリスは部屋を出ていった。


 :


「それでは、こちらでも調査を続けております!」
「みんな!ちゃんと帰ってきてね!」
「・・・・・・いってらっしゃい・・・・・・」
「何か分かったら連絡するよ?」
 みんなが町の出入り口である巨大な門の前で手を振っている。
 ブラン、フェザー、レイさん、青ぽよ、それからフラウの知り合いだっていう生徒たちに、青ぽよたちと話し合いをしているときに、魔王一味の動向について話してくれた不思議な服装の青年もいる。


「おう!みんな、絶対いい情報持って帰ってくるからな!」
「みんな、元気でね!」
 俺が叫ぶのをブラストが苦笑いをしながら見守り、フラウも生徒たちに向かって大きく手を振った。
 リリスは少し涙ぐみ、みんなに背を向けた。 


 俺たちも前を向いて歩き出す。
「よっしゃ、行くでぇ!」
 ランが手を突き出した。



 レイさんやブラン達と別れた俺たちは、新たな仲間、ラン・サモナスを加え、次なる目的地を目指した。

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