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BLACK BIRD 第1章 -12-

 私は早速腰につけたベルトをはずし、ポーチを開けてみる。
 少し緊張しながら中のものを取り出してみた。


 中には意外とたくさん物が入っており、目玉のような飾りつきの杖的な棒、それから何かよく分からない角の丸い逆三角形のような形の機械が入っている。
 機械はコンビニおにぎりくらいの大きさで、シルバー主体に水色がワンポイントといったカラー。
本体の半分くらいの大きさの液晶画面があり、その下には再生や停止と言った音楽プレイヤーのようなボタンと他にもいくつか何か英語がかかれたよく分からないボタン。
 そして側面にはPowerと書かれたスライド式の電源らしきスイッチとイヤホンを接続するような穴。
 背面にはベルトなどにつけるための紐と、フックのような形の物がついている。
 そして上面にはカメラのレンズのようなものがついていた。


 パッと見、子供向けのおもちゃみたいだ。
 でも私はこういうおもちゃみたいなものが好きで、一番これの使い方が気になる。


 他にポーチの中には見慣れないコードのないヘッドフォンと、私の愛用していたイヤホンが入っていた。
 そして私が小説を書こうとしていたノートと、愛用の筆箱。
 筆箱の中身は学校で使っていたときのものと同じようだ。


 私はポーチの中身を全て出すと他の人の机の上も見てみる。
 すると他のみんなもいろいろとものをどこからか出していたが、驚くべきことに私と同じような機械を全員持っていた!
 みんな色合いやボタンが違うようだが、大まかなところはいっしょだ。


「ふよさん!このおもちゃみたいのなんですか?!」
 私はちょっとテンション上がってそう聞いた。
 何か面白いものなのだろうか?ゲームみたいな感じのさ!


「・・・!それは・・・都市で使われている・・・。・・・Door to electric field・・・。」
「へ?」
 急に流暢な英語をつぶやいたふよさんに私は驚いた。
 というよりかこの世界にも英語があることに感心する。
 そういえばここは日本語が通じてるから英語があってもおかしくない・・・?
 まぁ日本語や英語と言う呼び名じゃないと思うけど。


「それは、機械都市に住む人間達が使っているものだ。」
 急にふよさんの声の調子が変わった。
 人間と言うところにわずかながら敵意のようなものを感じる。


「私はその道具については詳しくは知らないが、都市部に住んでいる人間たちが娯楽のために作り出した、電脳世界・・・と言うべきか、その世界へ入るために必要なもの。」
 電脳世界・・・?
 昔やったとあるゲームが私の頭に浮かんだ。
 機械的な世界なのだろうか、そこは。


「それでどうやって使うんですか?」
 私がそう聞くとふよさんは首を振った。
「それがよくわからないんだ。私は都市部に入ったことはないから。あそこの人は・・・イヤ、なんでもない。」
 ふよさんは何か言いかけて口をつぐんだ。
 私は都市部の人はいったいどういう人なのか聞こうとしたのだが、何だか言いづらくなってしまう。


「とりあえずそれについては私はこれ以上何も言えない。自分でどうにか使ってみて操作方法を覚えてもらうしかないね。」
 ふよさんはそう言うと教室のドアへと向かう。


「ふよさん、どこに?」
「ちょっと用事を思い出したから、少し出てくる。昼には帰るからそれまでその機械の使い方を調べてみていて。」
 私が聞くとふよさんはそう答え、教室を出て行ってしまった。

 ふよさんが出て行ったのを見て私たちは顔を見合わせる。
「どこ行ったんだろ?ふよさん。」
「さぁ・・・?私たちはこの場所以外この世界については何も知らないからどうともいえないね・・・。」
 私たちはそのような会話をして押し黙った。


 なんだか居心地の悪い沈黙が続く。
「あの・・・とりあえずさ。ふよさんに言われたとおり、この機会の使い方を探ってみないか?」
 しばらくして海谷がそう提案した。


「そう・・・だね。」
 私はそう答えると自分の機械を見つめた。
 さっき電源のようなものはわかったからとりあえずつけてみようかな。


 私はスライド式のスイッチを上にスライドさせてみる。
 すると一瞬間が空いて、画面がついた。
 画面は柔らかな水色の背景をしていて、しばらく待つと「あなたの情報を入力してください」というメッセージが表示される。


 それを見て他の3人が「どうやってつけたの?」とかいう質問をしながら私の機械の画面を覗き込んだ。
 私はいったん自分の機械を机に置き、むうが手に持っていた機械を借りた。


 むうのものはシルバーが主体の色合いなのは変わらないがワンポイントに使われているのは服に合った黒だ。
 彼女の機械はいろんなボタンがついているが私のような音楽を聴くようなボタンはなく、代わりに何かをはめ込むようなくぼみがついている。
 機械の裏や横を見たが、色合いやボタン、くぼみ以外特に変わったところはないようだ。
 私は側面についたスイッチを見せ3人に電源の使い方を教えた。
 他の3人も機械をつける。


 後の2人の機械も私とは少し色合いが違い、悠ちゃんは白、海谷は青がワンポイントになっていた。
 たぶんこの感じからすると他の二人にもむうの機械についていたくぼみのような何か違う機能があるはずだ。
 私はそう考え海谷の機械を覗く。


「・・・?何もない?」
 私の考えとは反対に海谷の機械には特に変わったものはなさそうだ。
「ちょっと貸して。」
「ちょ、おい!」
 私は海谷の返事も待たずに機械を取り上げた。
 画面にはすでに私の機械に表示されていたのと同じメッセージが表示されているが気にしない。


 よく見ると海谷の機械の横に何かを読み取るような赤いレンズのようなものがついている。
 赤いレンズはバーコードリーダーのような感じにも見えた。
 私が機械を眺めていると海谷が私の手から機械を奪い返す。
「勝手に取り上げないでくれよ。」
 そう言うと海谷はどっかと席に座る。


「で、何かわかったことでも?」
 そしてそう聞いてきた。
「いや、まだはっきりとはわからないけど、機械には各自それぞれ別の機能がついてるみたい。私のは音楽再生機能みたいだけど、あんた・・・いや、海谷のは何かを読み取るような赤いレンズがついてる。」
 私がそう説明すると、海谷は機械についている、赤いレンズを見た。


「これか・・・。まぁ、これに情報を入力し終わればこれの機能が使えるんじゃないか?きっとそのときに使い方はわかるだろ。」
 海谷はそう言うと、機械のボタンをいじり始める。


 私も席に着いたが機械に触れるまもなく今度は悠ちゃんが私の席にやってきた。
「ねぇ、これってどうやって入力すればいいのかな?」
 悠ちゃんの持つ機械には「あなたの名前を入力してください」というメッセージと、文字の表が画面に表示されている。


 そのときに見たのだが悠ちゃんの機械にも海谷と同じように画面下に変わったボタンなどはなかった。


 私は他のボタンを見て、それを押すと画面に表示されたカーソルが動き、少し大きめの丸いボタンを押すとカーソル横の文字が決定された。
 こうして何となく機械の操作を覚えると、悠ちゃん、それから首をかしげていたむうにも操作を教えてあげる。
 海谷も操作の仕方がわからないようなので、教えてあげた。
 この中で機械に強いのは私ぐらいのようだ。


 私は運動神経は悪いし、賢さも悠ちゃんには負ける。
 なんだか自分が一番のことを見つけて私は少しうれしく思った。


 そんなことを考えながら私は自分の機械を手に取る。
 決定ボタンらしきボタンを押すと、名前を入力するようメッセージが表示され、私は難なく「クロトリ アスカ」と入力できた。
 そしてその後も生年月日や血液型、それから好きなものなどいろいろな質問がされ、全て入力し終わったのは数分後だった。


 私たちが今まで使っていた機械はこんなにも多く質問されることはなかったのだが、さすが異世界というかなんというか、性能が違うらしい。


 そして画面にはスタート画面と言うべきか携帯を開いたときに現れるような画面が表示された。
 真ん中に大きく今の時刻が表示されている。


 時間は入力してないのだが、教室にある時計を見ると時間はちゃんとあっていた。
 今の時間は・・・11時。
 どこかからか携帯の電波のようなものが発信されているのだろうか。
 それで時間が自動的に設定された?
 詳しいことは分からないがこうしてみるとこの機械はなんだか現実味があり、魔法という力よりもなんだか信頼がもてる気がした。


 そうして改めて機械をいじくってみると、メニュー画面が表示される。
 メニューにはまだ使えない機能ばかりだったが、メール機能や音楽再生機能などの一部の機能が使えるようだ。
 早速音楽再生機能を選んでみる。


 すると音楽のリストが表示され、私の好きな音楽や、いつも聴いていた音楽が一揃い入っていた。
 そんな好きな音楽を一つ一つ入力した覚えもなければ、好きな音楽についての質問はなかったはずなのに。


 まぁ、きっとこれも考えたってわからないことの一つだろう。


 音楽を聴くためには機械にイヤホンをさすか、ポーチに入っていたヘッドフォンを使えばいいようだ。


「ねぇ、入力し終わった?」
 私は機械をスタート画面に戻し、他の人にそう聞いた。


 が、みんな首を振る。
 またわからないことがあるようだ。
 私は再び他の人たちにいろいろと教えることになった。
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