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RAINBOW STORY ? 152 Mysterious shop

「おう、終わった」
 俺はできる限り自然な笑みを浮かべようと努力した。 

 おばあちゃんはそんな俺を見て、どこかまぶしそうな目つきをして、笑った。


「その瓶について何かわかった?」
 リリスが俺が手に持っている瓶に視線を向ける。
 リリスははなから俺の表情なんて見ていなかったようだ。
 俺はおばあちゃんのせいで妙にゆるんだ顔を引き戻すと、リリスの質問に答えるべく口を開く。


「いや、何かすごいものらしいことはわかったけど、詳しいことは何も」
 それを聞いてリリスは少し残念そうに「そう」といって、うなずいた。
 リリスにこの瓶のことはあまり詳しく説明していない。
 


 さっき卵形の飾りのついたネックレスを売っていた店の横の建物に男がいて、この瓶を売っていた。
 それを俺はいつの間にか買う羽目になり、買ったところで男はいなくなっていた、とだけ説明した。
 一応嘘はついていないのだけれど、ここまで省略すると、悪い男にころりと俺が騙されたように話は伝わった。


 俺はリリスに金は大事に使わないといけない、だとか、見知らぬ人、特におじさんは信用したらだめだとか、いろいろと説教された。 
 おじさんに対する妙な警戒心の理由はわからないけれど、リリスは人一倍金に敏感。
 リリスの前で無駄遣いをしようものなら雷が落ちる。


 今回は俺が騙された様な形として伝わったからよかったものの、これがなんでもないただの買い物で無駄遣いをしたと知れば何を言われるかわからない。
 後でリリスからブラストにも話は伝わりブラストからも説教され、フラウに慰めてもらうことになるだろう。


「まぁ、すごいものならまぁ、いいけど。使ったのはフレアの取り分だし」
 明らかにリリスは不服そうだったが、それ以上はあまり何も言わなかった。


「とりあえずここの店のものも結構おもしろいし、見ていこうよ」というリリスの提案を呑み、俺はしばらくおばあちゃんの営むこの店を見て回ることにした。


 :


「あ、ここにもネズミがいる!」
 リリスが不意に声を上げた。
 俺はぼんやりと眺めていた売り物の怪しげな壷を置き、リリスの方を見た。


「ほら、これ可愛くない?」
 リリスが俺に見せたのはリリスの手の上にちょこんと座る小さなネズミのような生き物だった。
 さっきリリスが手に取っていたのはただの置物だったが、今回は鼻がちょこちょこと動いている。


「あれ?これ生きてると思ったけど、おもちゃなのかな?」
 しかしリリスはネズミの背中をのぞき込んでそういった。
 見た目や動きは本当に生きているような感じなんだけど、リリスが持っているのと同じ商品を手に取り、背中を見ると、そこには縫い目があった。
 中に魔石のかけらでも入っているのだろうか?
 触った感じは生き物のような感じだけれど、肝心の体温がない、暖かくないんだ。


「それはの、死なないネズミじゃ。ただ、切って外の皮を破ってしまうと動かなくなるがの」
 おばあちゃんがいつの間にか隣立ち、もごもごといった。
 なんだか怪しいものだな。


「これ可愛いけど、冒険するのには必要ないね」
 リリスも何か不気味なものを感じたのか、ネズミを棚の元の位置に戻した。
 ネズミは行儀よく座り、俺たちを見ている。


 俺はそのネズミの横の壷に目がいった。
 その壷は全体的に紫色をしており、表面の一番目立つ部分に白い、幽霊のようなもののイラストが描かれている。


「この壷はどんなものなんだ?」
 おばあちゃんに聞くと、おばあちゃんは楽しそうに笑い、説明してくれた。
「それはの、中にゴーストを封じ込めてあるのじゃ。使い方は持ち主次第。一回使ったらなくなる消耗品じゃ」
「わぁ、場合によってはすごい効果があるかも」
 リリスが興味津々といった目でその壷を見る。


 ただ、こんなものを持ち歩くのはどうかと思う。
 まぁ、怪しげな得体の知れない液体のはいった瓶を持ってる俺がいうのもなんだけど。


 それにフラウが幽霊が大の苦手だから、こんなものを持っていて何かあったら困る。
 早々、フラウはそんなお化けの類が大嫌いだから、お守りを集める癖があるんだ。
 今回卵形のネックレスにあれだけ興味を持ったのも、陳列してあった台の一角に、いざというときに身を守ってくれる、という歌い文句があったかららしいし。



「さすがゴーストハウスだな」
 俺は壷を棚に返し、再び店内を見回した。
 そして俺は店の隅に古びた剣と盾が立てかけてあるのを捉えた。


「あの剣と盾は?」
 俺が聞くと、「あれも一応商品じゃよ」とおばあちゃんが説明を始めた。
「あれは、目玉が飛び出るほど高いのじゃ。というのも、あれには騎士の幽霊が宿っておって、それを敵意を持ったモンスターの前に持ってくるだけで勝手に戦ってくれる、という代物じゃ」
 でも値段が高すぎて誰もかってくれる人はいないとか。
 気になったので、値段を聞いてみたけれど、お主たちはしらん方がいい、とおばあちゃんは教えてくれなかった。


「それじゃ、そろそろ行かない?」
 一通り店の中を見終わったらしいリリスが声を上げた。
 俺も大体は見終わったので、「そうだな」とうなずき返す。


「もう行きなさるのか、お二人さん。また何かあるとくるがいい。いつでもかんげいするよ」


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