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RAINBOW STORY ? 155 Driving

 フォルターは首が短いので、リリスの頭はフォルターの頭より高い位置になり、見通しは良いようだ。


「綱を引っ張ると走ります!右だけ引っ張ると、右に曲がりますし、左に引っ張ると左に曲がります」
 少年が言い、リリスは思いきって綱を引いた。
 しかし引きが強かったのか、フォルターは猛スピードで走り始める。


「あぁ!綱はゆっくりと走るときは優しく引っ張ってください。早く走りたいときは思い切り引っ張るといいですけど!」
「そんなことはいいから止め方教えてー!!」
 リリスが悲痛な叫び声をあげる。


 フォルターは狭い広場を仕切る柵にぶつからないようにぐるぐると走り回った。 
 ほかの数匹のフォルターたちがそそくさとそれから逃げる。


「あ、えっと、止め方は綱を、下向きに、地面に向けるように引っ張ってください!」
 リリスはそれをどうにか聞き取り、大慌てで、思い切り地面に向かって綱を引っ張った。


 フォルターは急に止まり、リリスは大きくバランスを崩したが何とか体制をたてなおす。
「あぁ、怖かった・・・・・・」
 リリスが肩で息をしながらつぶやいた。
 青年はそんなリリスに駆け寄る。


「あの、慣れれば、とても乗り心地がいいんですよ?それに、飛ぶこともできるんですから・・・・・・」
 リリスの機嫌を損ねたら大変だ、というように少年はフォルターのいい点を並べた。
 そして、飛ぶ、というところでリリスが興味を示す。


「あ、そうか!飛べるんだっけ?それってどうやるの?」
 リリスが最初と同じ明るい表情を浮かべたので、少年はほっとした顔をした。
 そして、彼もリリスと同じく明るい表情で説明をする。


「いくらか助走をして、そしてどちらでもいいですから、フォルターの頭に生えた小さな羽をなでるんです」
 頭に生えた羽を触れば、飛べる、ということだが、一体どれくらい飛ぶんだろう?
 少し重そうな見た目をしているから、やはり少しジャンプする、くらいかな。


「それでは、今度は優しく綱を引いてくださいね」
 少年の指示に神妙に頷き、リリスは綱を緩く引っ張った。
 するとさっきよりもゆったりとしたペースでフォルターは走り始める。


 その様子を少年は固唾を呑んで見守った。
 俺もわくわくしながら飛ぶのを待つ。


 そしてしばらく走った後、リリスは意を決したように羽へと手を伸ばした。
 少し躊躇したけれど、その手が羽をさらりと撫でた!



 途端、フォルターがばさりと羽を広げる。
 さっきまで、体と同化していてよく見えなかったが、フォルターには意外と立派な羽が生えており、その大きさは俺が両手を一杯に広げたくらいはありそう。


 そして、リリスは慌てて綱を掴みなおし、フォルターは広げた羽をバサバサと羽ばたかせた。
 フォルターの大きな体がふわりと浮かぶ。
 そして助走と同じくゆったりとしたペースで、羽を広げたまま滑るように宙を飛んだ。
 柵の手前まできて、フォルター羽をたたみ着陸し、再び同じペースで歩き始める。


 リリスはこのジャンプで、フォルターをすっかり気に入り、飛ぶときの操り方などテクニックをいろいろと教わり、練習を始めた。
 リリスのそんな様子を見ながら、俺も別のフォルターに乗らせてもらうことにした。

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