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Another fantasy ? 83 ?

「やっぱこの状況は普通じゃねぇな。手のヤローが言ったみたいにこれには誰かの意志が絡んでいるかもしれねぇ」
「それじゃ、この明かりが消えたり、悪魔や天使が話しかけてこないのが、誰かの意図的なものってこと?」
 リクはこくりとうなずく。


 しかし僕は腑に落ちなかった。
 この店にいつも浮いている光球を消すことはできるかもしれない。
 しかし僕の頭の中にいる精神にまで影響を与えられるか?
 そんなことができるのは僕らなんて到底足元にも及ばないような大魔法使いくらいだろう。


「ま、考えたところでしゃーねーや。とりあえず原因の究明を待て、ってとこか」
 僕はうなずくほかになかった。
 考えて分かることではない。


 なぜ急に魔法の明かりが消えたのか。
 天使と悪魔は一体どうしているのか。
 僕は頭の中の彼女たちに何度も呼びかけてみたが返事はない。
 さっきの青年やその先輩たち、そしてマオ君が何かいい情報を持って帰ってくるのを期待して待つばかりだ。


「はぁ、空気が重い。誰でもいいからきてくんねぇかなぁ。もう一人くらい話し相手が欲しいぜぇ」
「確かに。誰かやってきてもいいようなものなのに。誰かこないかな」
 そうはいってみたものの、相変わらず建物の中から物音はしない。
 2階から誰か降りてくるような気配もなしだ。


 これだったら濡れるの覚悟でさっきの青年が向かっていった裏口へいってみようか。 
 たぶん彼らは裏の空き地にいるはずだ。
 確か空き地の壁にはよくわからない機械や道具が設置されていた。
 きっと彼らはそれを調べているんだろう。


「ねぇ・・・・・・」
 僕が外に行こうと提案しようとしたときだった。


 予期せずに店の戸が開いた。
「誰?」
 最初はマオ君かと思ったが、雷に照らされたその姿は小さな手の姿をしていない。
 買い出しに出かけたままのフローラやますたーかとも思ったけれど、人影は一つ。
 しかもその影は結構大柄だ。


 男性だろうか?
 まだ店を開けている時間ではない。
 つまりは客が勘違いし、雨宿りにはいってきたわけじゃないだろう。


 水を滴らせながらその影は店へはいってきた。 
 フードを目深にかぶっており、暗い室内ではその人物の様子はよく分からない。
 時折、ドアの外で光る雷光により、影がくっきりと浮かび上がるだけ。


 しかし、僕は男が動き、同時に走った雷光で彼の正体が分かった。
「お前・・・・・・?」
 リクが隣で息を呑む。


 男は長い赤毛を三つ編みにして背中に垂らしていたのだ。
 そして黒ずくめの服装。
 それはどう見ても、僕の学生時代の同級生であり、謎めいたところの多い、ネアルという男だった。


「ネアル?」
 僕とリクは同時に言い、僕はネアルの顔の前に思わずリクの顔を見た。
 リクはネアルのことを知らないはずだ。
 僕の同級生でも先輩でも後輩でもなかったはず。
 といっても僕が学校に通っていた当時、同じ学校に通っていた生徒全ての数を覚えているわけではないし、冒険者学校に年齢制限はないから、その辺の判断が難しいのだけれど、彼らが学生の時代の知り合いではないはずだ。


 そして驚いたのはリクも同じだった。
「何でケイがこいつのことを?」
「それは・・・・・・」
 僕がそれに答えようとしたとき、低くよく通る声がそれを遮った。


「今はそれを話しているときではない」
 その声はネアルから発せられたものだった。
 しかし、その声は普段のネアルから想像できない声音だった。
 どこか不気味で、それでいて引きつけられるような声だ。

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