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Another fantasy ? 84 ?

 ネアルはおもむろにフードをとった。
 僕たちの側からは何も光源がないはずなのに、ネアルの目が紅く煌めく。
 僕たちは黙り込んだ。


「今俺は追われている」
 普段だったらだから何だ、そう返したかもしれない。
 それにそんなことを言われても困る、そう言っただろう。


 しかし、今の僕はしゃべることはおろか、口を開くことすらもままならなかった。
 まるで魔法でもかけられたように体が動かない。
 しかし、動こうと思えば動けるような気がした。
 ただ動こうという気があまり起きない。


「俺は今誰か他人に勘違いされている。俺ははめられたのかもしれない。しかし、偶然本来追われるべき男が俺と似た姿をしていただけかもしれない」
 ネアルがすらすらと話すのは前回会ったとき、ネアルが占いで僕の考えを読んだとき以来だ。
 話の中に笑い声が全く入らないネアルの話し声というのはどこか気持ちが悪かった。
 もちろん笑いが入っていればそれはそれで気持ちの悪い話し方だけれど。


「しかし何にしても癪に障る」
 もう一度ネアルの目が紅く光った。


 それで僕はとある事件のことを思い出した。
 それはこの店、ラムザで働く、僕の先輩に当たる女性の冒険二人が行った依頼から始まったものだ。


 その依頼の最中、彼女らはある出会いをし、その出会いから海底洞窟の捜査をすることとなった。
 その中はアンデットモンスターがまとっているような黒い魔力に覆われ、普段はかしこくひとをおそったりしない、トカゲのような見た目をした種族、リザードマンが操られており、彼らに襲われたのだとか。


 そして、彼らにかかった魔法を解いた先輩方は、魔法をかけた相手が赤い目の人物だと聞く。
 街に帰った彼女らは早速そのことを報告し、後日赤い目の人物を見かけたら、街の護衛部隊などに報告するように、との張り紙が張られた。


 ネアルは、もしかするとその事件の容疑者にされてしまったのかもしれない。
 癪だ、といったのは、誰に対してのものかは分からなかったのだけれど。


「俺はこれから旅にでる。本当の犯人はここにはいない」
 なぜ彼はそう断定できるのだろう?
 僕がそう思ったとき「なんで、そんなことが分かるんだ?」と、リクがこともなげに口を開いたのだ。


 ネアルの表情はよく分からなかったけれど、返事を返すのに間が空いたところを見ると、彼も少なからず驚いていたのだろう。
 しかしそうなると、ネアルも今この場で起こっている異常な状態について気づいていることになる。
 ネアルは今のこの状況についてどれほどのことを知っているのだろう。

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