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Another fantasy ? 86 ?

「待たせたな!もう出発できるぞ!」
 不意にリクの声がした。


 きっといつでも冒険に出られるよう準備していたのだろう、さっき2階に向かったばかりなのにもう帰ってきた。
 リクはリュックを背負い、背中とリュックの間に何か見知らぬ板のような物を挟んでいる。
 いったいあれはなんだろう?


「あ、ケイ。なんでか2階にはもう誰もいないみたいだったぞ? みんな裏庭の方にでも行ったのか?」
 僕は首を左右に振ろうとしたんだけれど、相変わらず体が動かなかった。
「知らない」
 ただそれだけ返事を返した。


「そうか、そりゃそうだよな」
 リクは軽くうなずくと、ネアルに視線を向けた。  
「そんじゃ行こうぜ。急いでるんだろ?」


「いや、少しケイと話をしておきたいんだ」
 僕は驚いた。
 もう別れの言葉は十分に言ったはずだ。
 カッシュへの伝言も聞いたし。


 しかし僕はどうにも動けない。
 僕は不意にネアルが怖くなった。
 何か僕にとってよくないことをネアルはしようとしているんじゃないか。
 しかし僕は逃げることができなかった。
 まるで体全体を針金でぐるぐる巻きにされたみたいだ。


「そうか、そんじゃ俺どうしようか?」
「中庭の方を見てくればいいんじゃない?」
 僕の口から予想もしなかった言葉が出た。
 僕はこんなことを言おうとしたわけじゃない。


 これは完全に誰かに操られている。
 これはやっぱりネアルの仕業なのか?
 いや、もしかするとこれはネアルが勘違いされている赤目の男の仕業かもしれない。
 それなら説明が付く。


 しかしリクを遠ざけて、どうしようというのだろう。
 確かにリクがいなくなるととても不安だ。
 でも遠ざけるのならネアルの方を優先すべきじゃないか?
 リクの腕前はよく知らないけど、たぶんリクよりネアルの方が強いはずだ。
 でもこれがネアルの仕業なら・・・・・・、あぁ、堂々巡りだ。


「そんじゃ、俺はちょいと裏の空き地の方の様子を見てくるよ」
 リクは無情にも去っていく。


 僕はネアルと二人きりになった。
 またここから逃げ出したい衝動に駆られる。
 僕の顔はリクが去っていった方を見ていたものの、彼の姿が見えなくなると、僕はネアルのほうに視線を戻さないわけにはいかなくなった。


「え?」
 僕が視線を戻した先。
 そこにネアルは立っている。


 しかし、彼は僕の手のひらを突きつけていた。
 僕とネアルの間には少しの間がある。   
「何、を?」
 ネアルはいったい僕に対して何をしようとしているのかわからない。
 何か魔法を使おうとしているのか。
 こういうときこそ僕の中の天使と悪魔が役に立つはずなのに、今日に限って彼女たちからは何も反応がない。
 普段出てきてほしくないときにも出てきているというのに。


 ネアルは何も言葉を発さず、手を突きつけたままにいる。
 そして、ぼんやりと僕の胸の辺りが光り始めた。

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