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Another fantasy ? 88 ?

 僕の目に一瞬だけだが、見えたのは、僕の頭の中にいる悪魔、キルアの姿だった。
 彼女の姿は夢の中で何度か見たし、実際に僕らの前に出てきたことだってある。


 しかし今回僕が見た彼女の姿は今まで見た中で一番恐ろしい姿をしていた。
 普段はきっちりと閉じられ、赤い文様のような封印までされている彼女の片目がぱっちりと開いていたのだ。


 その目は本来白であるはずの部分が血のような赤色をしていた。  
 白い部分は全くない、本当に真っ赤だ。
 そして瞳の部分は黄色く、瞳孔は真っ黒。


 その顔で彼女は僕の方を向いて牙をむき出しにして笑っていた。 
 彼女の後ろは真っ暗な闇、どこにも天使の姿はない。
 大きく広げられた悪魔の羽と彼女の牙や、瞳が僕の頭にこびりついた。


 僕は目を見開く。
 一瞬しか見ていないのに、頭の中から消えない。


 しかし目を開けたが最後僕の目の前にはひびの入った宝玉が写る。
 玉の中はよく見えない。


 降りしきる雨と止まない雷の音がむなしく響く。
「ネアル・・・・・・止めてよ。元に戻ってよ・・・・・・」
 僕は息も絶え絶えにいう。


 もうネアルの顔を見ることができない。
 彼の笑みと悪魔の笑い顔はとてもよく似ていたから。


 そして、魔力によってできていた白い光りが不意に視界から消えた。
 顔を上げるとさっきと変わらない場所にひびが入ったままの宝玉が浮かんでいる。
 ネアルの手は相変わらず突き出されたまま。


 しかし、魔力の放出を止めたということは、もう僕を苦しめることを止めてくれたのだろう。
 宝玉を返してくれるのだろう。
 僕はそう思った。


 外で雷が低くうなる。
 僕は顔を上げる。
 外が光る。
 僕は宝玉に手を伸ばす。
 雷鳴が轟く。
 僕は目をつむる。
 地響きが起こる。
 目を開けネアルを見る。  
 ネアルが指を玉に突きつける。
 僕がもう一度玉に手を伸ばす。
 ネアルの指先から白い光が放たれる。
 僕の手の中で宝玉が砕ける。


「……いやだああぁああぁぁあぁぁあぁ!!」

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