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Another fantasy ? 93 ?

 まだ眠っていくらもたっていない気がする。
 僕は誰かの手にゆすぶられていた。
 まだ眠いのでその手を払いのけようとしたけれど、僕がいくら腕で手の上の位置を払っても、なにも手応えがなかった。
 直接頭の中に響くような声が、起きてください!と怒鳴る。


 いくら腕を振っても何も手応えがないことにイライラとしながら、僕の意識はだんだんと現実へ戻ってきた。
 なんだか辺りが騒がしい。
 天井の方からなぜかドタドタと何かが走り回るような音が聞こえてくる。
 それに混ざって怒号や悲鳴までもが聞こえ始め、僕はあまりの騒がしさに飛び起きた。


「あー!もう、うるさい!」
 僕が叫ぶと、腹の辺りから赤く光る何かが浮かび上がってきた。
 目を凝らすと、マオ君だ。


 僕は何度か目を瞬き、ようやく今自分が船の上にいることを思い出す。
 とにかく僕は壁を探って、部屋の明かりを入れた。


「師匠!大変ですよ!外がえらいことになってます!」
 相変わらず頭に響くような声で、マオ君が言う。
 よく見ると、ベッド脇にはひのたんの姿も。
「何やってるんだよ!早く加勢にいかないと!!」
 甲高い声で彼が言い、マオ君もうなずくように上下に揺れた。


 僕がいる部屋は甲板より2層下の部分で、外の音はあまり聞こえてこないけれど、たくさんの足音や聞こえてくる声から普通ではないことが伺える。
 だんだん僕の部屋の周りも騒がしくなり始めた。


「クイットやブレイズたちは?!」
 僕は急いでベッドから立ち上がり、アーマーを装着しながら聞いた。
 船の上は安全だろうと思いこんでいたから鎧なんかは全て外していたんだ。


「クイットさんのことはわかりませんけど、ブレイズさんとキトンさんはもう甲板に出てます!」
 マオ君がせっぱ詰まったように言った。


 そういえば物語なんかじゃよくあるじゃないか。
 主人公一味が船に乗って旅をしていると、モンスターに襲われるなんてことが。
 窓の外を見ると、たこの足が巻き付いている、とか! 


 不意に僕は怖くなって、窓を見た。

 すると案の定僕の目は不気味なものを捉えた。
「わぁああぁ!外、外!」
 僕が指さすと、ひのたんが悲鳴を上げた。
「わぎゃあぁあぁ!!何あれ!」


 外を見るとそこには大きなタコがいたのだ!
 しかし、見えたのは足ではなく、目!
 瞳孔が横に伸びる独特の目が僕を睨む。
 顔の全貌は見えなかったけれど、片目と、頭の上の方の部分が少し見えた。


 そしてその頭の部分には、なにやら青白い光を発する何かが見える。
 まさかあれは脳?!
 あんなものが透けて見えるなんて!
 しかも光っているとは!


 僕とひのたんがそれを見てほぼ放心状態にあるのに対し、マオ君だけは一人変わらなかった。
「師匠!こうしちゃいらんねぇよ!俺先行ってる!」
 敬語を使うのをすっかり忘れ、彼は勢いよく部屋から出ていく。 


 そのすぐ後近くで悲鳴が上がるのが聞こえた。
 たぶんマオ君の見た目に驚いた声だろう。
 モンスターに間違えられて攻撃されなきゃいいけど。

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