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Another fantasy ? 102 ?

「本当の姿で会うのは初めてだね、ケイ」
 キルアは少し寂しげな表情ではあるけれど、ほほえんだ。
 これが悪魔の表情か、と僕は毎度のことながら思う。



 今まで彼女が僕の前に現れた事はあったけどその時は夢の中だったり、魔力の塊として現れただけだ。

 彼女が自分自身の体に納まり僕の前に現れるのは今回が始めて。

 僕は無性にこれを嬉しく思った。



 僕が彼女の様子を感動に似た気持ちで見ていると、不意に彼女は片手を差し出す。
 何だろうとその手を見下ろすと、頭の中でバリアの声が。
(握手よ、握手!私たちが本来の身体でこの世界にたつことはまずないんだから、記念に握手くらいしときなさい)
 さっきと同じような怒ったような声音で言われ僕は反射的に腕を差し出した。


 それを見て、キルアは少しうれしそうな顔をし、僕はキルアと握手を交わす。
 キルアの手は思いの外温かかった。
 しかしなぜ僕はこんなところで悪魔と握手をしているのだろう、なんていう気に少しなる。


「それじゃ、私行かなくちゃ」
 でも、キルアの手を握っていられたのもほんの数秒だった。
 彼女はすぐに手を離し、僕に背を向ける。


 そうだ、あまり時間を食っている場合じゃない。
 僕も僕で、加勢に行かなくてはいけないんだ。
 あ!それにすっかり忘れていたけど、僕は船室で巨大タコの顔を見た。
 あの大きなタコも、この船を襲おうとしているに違いない。
 僕も早く動かなくては。


「無茶はしないでね」
 僕はなんと話しかければいいのかよくわからなかったけれど、とりあえずそう言った。
 キルアは僕に背を向けたまま、こくりとうなずくと、キルアの羽織っているマントに変化が起きた。


 マントが両端を持ち上げられるようにして不自然に浮き上がり、真ん中が裂けたのだ!
 そうな風に見えた次の瞬間には、マントはコウモリのものに似た羽に変わり、バサバサと大きく羽ばたく。
 身の丈ほどもある大きな翼は猛烈な風を起こし、キルアの身体はふわりと舞い上がる。
 そして少し中にとどまったところで、また羽ばたきあっと言う間に飛び去ってしまった。


 悪魔がまた驚いて道をあける。
 そしてしばし宙に浮かぶようにして飛んでいた悪魔数匹が僕をみた。


「わ、やば!」
 僕が思わず固まってしまったとき。
「ケイ!」
 背後から声が。


 驚いて振り返るとそこには長い髪を振り乱し、すごい勢いで走ってくるクイットの姿があった。
「クイット!」
 彼女はあっと言う間に僕に走りより、がっしりと腕をつかんだ。


 しかしそのとき僕のすぐそばまで悪魔が迫ってきていたのだ!
 全部で3匹の悪魔たちはそれぞれ、鋭い爪を持っていたり、剣や槍を手に持っている。
 僕はクイットを守らねば、と思い、剣を構えたのだが、僕よりクイットの方が行動が早かった。


 僕が切りかかるより前に、クイットが叫ぶ。
「ディストラクト!」と。
 一瞬僕は何のことかわからない。


 僕が見つめる先、悪魔の向かう場所にクイットの手が差し出され、そこに小さな光の玉が生まれる。
 それはあっと言う間に小さな人のような形を作り上げ、その人型の光はさらに強力な光を発した。
 思わず目がくらむ。


 しかしそんな僕のことはお構いなしにクイットが走りだした。
 僕は足を少しもつらせながらも何とかクイットに続く。
 そしてそんな僕らの背後では悪魔たちの叫び声があがった。
 明らかに苦しそうな声だ。


「あいつら光に弱いみたいなんだ!」
 走りながらクイットが言う。


 そしてそんな彼女の横に並んだのが、小さな人。
 きっとさっきクイットが呼び出したものだろう。

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