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Another fantasy ? 104 ?

「ケイ!さっきから何ぼーっとしてるの?何か考えごと?!」
 不意にクイットの声が背後からした。


 僕は屋根の上から下の様子を見る形でずっと固まっていたのだ。
 どこか彼女の声音がいらついていた気がする。
 僕は急に話しかけられたことに驚いて、はじかれたように振り返った。

 しまった、なんて答えよう?

 クイットはやはりムッとした表情をしている。

 とにかくどうにか弁明しなければ!



「どう行動するのが一番いいのか考えていたんだ。もう少しで答えがでるから、もうしばらく待ってくれ」と、僕はぺらぺらしゃべる。
 よくもまぁこんなことをすらすらと言えたものだ。
 ただ、この言葉は嘘ではない。
 だいぶ正当化してる気はするけど。


「あぁ、そう。それじゃ私は一人でこいつらと戦っておきます!」
「一人じゃないよ、私もだよー!」
 クイットの思いきり不機嫌な声と、彼女の精霊の声が重なった。


 僕は少し身を縮め、視線を甲板へと戻した。
 とにかくあまり時間はない。
 しかし戦っている人たちの怪我を治すにはどうすればいいのだろう。


(怪我を治すついでに志気もあげられればいいよねぇ)
 なんてことを言っているバリアはこの際無視だ。
 遠距離にかける回復魔法か。
 どうにかやってみるほかないかな・・・・・・。


(でぇい! あんたはなぜあたしに気づかない!)
 いきなりバリアが意味不明な発言をする。
 気づかない?

 そんなわけはないだろう、さっきから思い切り邪魔をしてくれている、気づきたくなくとも存在がわかる。

(あのねぇ、そういう意味じゃない! あたしを外に出せって言いたいの!!)
「はぁ?!」
 僕は思いきり叫んでしまい、クイットの「どうしたの?!」という声が背後で聞こえた。
 あまりに大きい声を出してしまったものだから、下で戦っていた人たちが僕を見たり、帆の陰から人が現れたりした。


 おかげで、下で苦戦していた人たちに新たな戦士が加勢していい具合に収まったけれど。
(あたしをここに出せば、怪我人をあっと言う間に治してあげられるし、天使様降臨で志気もだだ上がりよ!)
 鼻息荒く話すバリア。
 いやいやその性格じゃ志気も上がんないよ。


(なに言ってんの、黙ってにこにこしてりゃ、あたしは美しき天使様よ! あんたうだうだ言ってないで、早いとこ準備しなさい!)
(じゅ、準備って?)
 いったい何をしろと言うんだ。
 キルアの時と同じようにすればいいのかな。



(あのね! 天使なんだからもっとこう劇的に登場させなさいよ! ほらそこのクイットって子にも手伝ってもらって!)
 バリア忙しく指示を出し始めた。


 まず僕を屋根の中央に立たせる。
 そうすると、いろんな方向から僕の姿が見えた。
 下で戦っている人も話しかけてはこないけれど、ちらりとたまに僕を見る。
 ものすごく恥ずかしい。
 ただバリアは僕の心情がわかっていても好き放題指示を出すばかりだ。


(そんで、あんたは両手を上に伸ばして、彼女の精霊使って手から光が出ているように見せる!)
 そんなことを言うので、僕はかなり戸惑った。
 今クイットは少し機嫌が悪い。
 そこに意味不明な頼みごとをしろ、と?


(意味不明とは何よ! 手があるから協力してくれって言えば済む話でしょ!)
 僕はもう反論する気をなくした。 
 これ以上何かを言っても無駄である。
 ここは素直に従おう。
 そもそも僕一人の力じゃどうにもできない。
 相当恥ずかしいけれど、ここはバリアの言うことを呑もう!


 さぁ、気分を切り替えるんだ、僕!

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