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Another fantasy ? 105 ?

「クイット!」
 僕が呼びかけると、彼女は不機嫌そうな顔を僕に向けた。
 クイットは空から襲ってくる悪魔を退け、僕を守ってくれてもいたのだ。


「さっきはごめん、守ってくれてありがとう」
 僕はとりあえず謝って感謝の意を伝えた。
 バリアが鼻を鳴らすのが聞こえる。


「ふ、ふーん。・・・・・・まぁ、どういたしまして」
 クイットは僕からすっと目線をそらした。
 機嫌は・・・・・・よくなってくれたかな。
 とにかく今はあまりのんびりしている場合じゃない。


「今いい手を考えたんだ。協力してくれない?」
 ほかにいい言葉が思いつかなかったからバリアが言ったままの言葉を使った。
 またバリアが鼻を鳴らす。


「あぁ、いいけど」
 どこか素っ気ない返事だったが、了解してもらえたならそれでいい。
「僕が空に向かって手を伸ばすから、僕の手から光が出ているようにしてほしいんだ」


(思い切り強い光で!できるだけ神聖な感じの!)
 僕の頭の中でバリアが注文を付ける。
「え、えっと、できる限り強い光で。それで神聖な雰囲気がでるとうれしいな」
 僕が言うとクイットは少し首を傾げた。
 そして、空を飛び回り、悪魔を退けてくれている精霊を見る。


「あ、ダイジョウブ!たぶんできるよ!」
 頭上の精霊はぐっと親指をつきだし、元気よくそう言ってくれた。
 よし、その言葉を信じよう。
 バリアも(うむ)と満足気な声を出した。 


「そんじゃ、やるよ」
 僕は二人に声をかけ、両手を伸ばす。
 その手の先に精霊が飛んできて、光を発した。
 光は黄色っぽい色をしており、波のように広がっていく。
 それを見て近くを飛んでいた悪魔たちが目を押さえて逃げていった。



「わぁ、すごいすごい!」
 クイットが歓声を上げる。
 黄色い光は水の波紋のような形で広い範囲に延びていく。


 ちらりと屋根の下を見ると、戦士もモンスターたちも攻撃の手をやめ、光を見ていた。
 といってもモンスターたちの目の位置はわからないものもいたから、正確にはみんながみんなこっちを見ていたかはわからない。



(あのね、モンスターの注目はどうでもいいの、要は味方勢があたしを見ててればそれでいい)
 バリアの声が頭の中で響く。
 そして気がつく。
 これからどうすればいいんだ。


(あぁ、はいはい、後は呪文を雰囲気たっぷりに唱えれば完了)
 雰囲気たっぷり?!
 どんな雰囲気?
(天使が降りてくるような雰囲気!)
 いや、それじゃわからん!


 しかし僕の心の声はむなしく響き、彼女はもう呪文を朗々と唱え始める。
 なんだか芝居がかった声音だ。
 そうか、それを真似しろということか!
 僕はみんなの注目の中、腕を突き上げ、どうにか呪文を唱え始めた。

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