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BLACK BIRD 第1章 -17-

「これでよし。」
 私はそう言ってノートを閉じた。
 ヘッドフォンからはきれいなバイオリンとピアノの曲が奏でられていて、気分もいい感じだ。


 いつの間にか空は赤くなっており、今の時刻を見るとだいたい5時30分。


 私はノートとシャーペンをポーチにしまい景色を眺めた。
 この前の夜に見えた塔は見えない。
 あの塔は元からなかったのか、それともレイアが壊したのか。
 どちらが正しいのかはわからない。


 たぶん塔は機械でできていた。
 だからあそこはふよさんのいう機械都市だろう。
 ということはふよさんが行ったことのない場所だろうから、ふよさんに聞いても答えは分からないだろうな。
 いつかここを出るときが来たらあの塔の事を誰かに聞いてみよう。


 こうして遠くを見ていると、遠くの空にハエくらいの小さな影が見え始めた。
 鳥でも飛んでいるのだろうか。
 こうして見ている間にも影の大きさはどんどん大きくなり、数も増えていく。


「何・・・?あれ・・・?」
 その異様な影はこの学校に向かってきているようだ。


「と、とりあえずみんなに連絡・・・!」
 私は機械を取り出し、メールを打ち込んでいく。


[空から変な影が学校に近づいてきている!影の正体は何かわからないけどとにかく屋上に集合!]
そうメッセージを全員に送信した。
 よく分からない内容だが、きっと心配してみんな屋上に集まってきてくれるはずだ。


 そして、だんだん近づいてくるその影がやっと姿を確認できるほどの大きさになる。
「・・・!あ、あれは!」


                  :


「むう!」
 私が脇にタロットカードの本を挟み、廊下を走っているところへむうが後ろからやってきた。


「ゆうにも黒鳥さんからメールが?」
 むうの言葉に私はうなずく。
 この様子からするときっと海谷という人の元にもメールが届いているだろう。


「それにしても変な影って何かな?」
 階段を駆け上がりながらむうがそう聞いてきた。
 私はローブのすそが足に絡まり話をしているどころではない。
 私が返事をせずにいると、むうは一人で考え込むような顔をした。


 でも確かにむうの言うとおり変な影とはいったいなんだろう?
 大きな影なのか、それとも小さいのか。
 たくさんいるのかそれとも一つだけなのか。
 まぁそんなことは行ってみればわかるだろう。


「あ!お?い。君ら!君らもメールが?」
 すると上の方から声がした。
 海谷・・・君だ。
 私は黙ってうなずく。


「そうか、俺は先に行ってる!」
 海谷という人はそう言うと、階段を信じられないスピードで駆け上がっていった。


「む、むうも先に行ってて。私この格好じゃ早く行けない。後から行く。」
 私がそう言うと、少し先を行っていたむうが心配そうに振り返った。
「でも・・・。」
「いいから先に入って!あんまり急いでこけたりしたら、影だとか言ってられないでしょ。ゆっくりでも絶対後から追いつくから!」
 私の言葉にムウは小さくうなずき、階段を駆け上がっていく。


 私は長いすそを引きずりながらゆっくりとそのあとを追った。


                  :


「ガー・・・ゴイル?」
 私ののどからそう声が漏れた。
 ゲームに出てきたガーゴイルというモンスターにそいつらはそっくりだったのだ。


 そいつらは獣のような頭から醜く曲がった角が生え、口からは鋭いキバが覗く。
 手にも切れ味のよさそうなつめが生え、その手に剣や弓、槍などの武器を持ったやつもいる。
 背中にはコウモリに似た羽が生え、体はやせていて、骨と皮だけのように見えた。
 足腰は曲がっており、あまり立つことは得意でなさそうな見た目だ。
 でも空を飛ぶ力はかなり高いようで、私に気づいた何匹かがおちょくるようにくるくると回りながら飛んでいるのが見える。


 そいつらはざっと見て30体ほど。
 私には悪魔の軍勢が押し寄せてくるように見えた。


 つけたままのヘッドフォンからはゲームの危険な場面に流れるような曲がかかり始める。
 それでも私は動かず、近づいてくる悪魔達を見つめていた。
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