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Another fantasy ? 114 ?

 一瞬の間が開き、クイットの手の上がぼんやりと光り始める。
「・・・・・・あ」
 クイットがぼんやりと口を開けた。


 ちゃんと反応があったことに驚いてはいるようだが、ほっと一息つけたようだ。
 彼女の精霊の不調も治ったのだろうか。


 クイットの出した光は段々と人の形を作っていき、精霊の姿が現れ始める。
 しかしその精霊の光の形はさっきと違うところがある。

 手に何か細長いものを持っているのだ。
 さっきまでクイットの呼び出していた精霊は何も持っていなかったはず。


 クイットもまた心配そうな顔を浮かべた。
 光は徐々に弱まり、段々と精霊の姿が出てくる。
 最終的に光が精霊の体からはがれるように消えていき、小さな人がクイットの手のひらに出現した。
 淡く光る彼女は、背中に生えた光の結晶のような羽を羽ばたかせてはいるものの目をつむったまま。


 そして僕の目についたのは、精霊の手に握られていたもので、それはどうやら杖のようだった。

 細長い握り手の上はぐにゃりと曲がっている。
 その曲がっている部分の上部には金のプレートがつけられ、そこにはスイッチのようなでっぱりや、石の塊のようなものがつけられていた。

  杖の先端には金属のほかに、赤い宝石のようなものも埋め込まれており、精霊の翼と同じような光の羽が揺らめいている。

 握る部分にも先端と同じく金属で一部覆いが付けられ、握り手の下にも木でできた細い棒が延びていた。



「おぉ!!すげぇ、すげぇ!!精霊ってこんなちっさいのか!ちゃんと人の形してら!」
 深刻な表情の僕たちとは対照的にクレディーは大興奮だ。
 僕たちの表情など目に入らないらしい。


 ただ、メイルだけは変化がなかった。   
 目が見えないのだからそれも当然といえばそうだけど。


 こうやって3人が見守る中、精霊は目を開いた。
 その瞳は金色に輝く。
「ディス!」
 クイットがもう一度呼びかけた。


 すると精霊は焦点が定まっていないような目で、ふっとクイットの顔を見た。
「ディス?」
 クイットの目に明らかな不安が宿るとようやく、精霊の顔に表情が戻る。
 今度は目の焦点もきちんと合っているように見えた。


「クイット!」
 精霊もクイットもぱっと笑顔になり、手を取り合った。
「よかった!さっき急に消えちゃって、ホント心配したんだから!」
「ごめん!クイット!」
 精霊はぺこりと頭を下げる。
 事情を知らないクレディーはきょとんとしているが、説明するのは後だ。


「私、力をもらったの!」
 そして顔を上げた精霊は不意にそんなことを口にした。
 クイットの表情が少し固まる。


「・・・・・・力?」
「そう、これ!」
 精霊がつきだしたのは例の杖だ。


「そうだ、それどうしたの?」
 いったい精霊はどうやってその杖を出したのか、そしてそれにはいったいどんな力があるのか。
 とても気になるところだ。


 それにしても僕は精霊使いが身近にいるにも関わらず、精霊について知らないことが多すぎる。
 今度ラムザに帰ったときは勉強をすることにしよう。


「私これでもっといろんな力が使えるよ!さぁ、戦いはもだ終わってないんでしょ?」
 精霊はふわりと僕らの頭を飛び越えた。
 振り返ればそこではまだ戦っている最中の人々。
 そして襲い来るモンスターの数々。
 まだまだ戦闘は終わっていない。


「説明は後にして、今はこの状況を何とかした方がいいんじゃない?」

 精霊は顔だけ振り返っていった。

 クイットが表情を引き締め、頷く。

 さっきまで何かしら騒いでいたクレディーも口元を引き結んだ。 


 

 僕は前に出て、甲板を見下ろす。

 そうだ、悪魔の数は減ったけど、モンスターはまだまだいるんだ。



「ほら、ここは魔法使いに任せて、あんたは下で戦いな!」 
 不意に背後からクレディーのそんな声がした。

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