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Another fantasy ? 117 ?

 僕は目を凝らし目の前の青年の顔を見る。
 彼は怒った顔のまま。


 いや、何か変だ。
 彼の顔がゆらゆらと揺れている。
 いや彼の顔だけじゃない、見えている物がすべて揺れている。
 しかも動きがどれもとてもゆっくりだ。
 彼は揺れる以外ほとんど動いていないように見える。


 なぜこんな状態に?


 僕は何者か?
 僕は普通の人間だろう?
 まさかどこか普通でない場所があるとでも?


 普通でない場所。
 普通でない場所?
 普通でない場所!


 僕は一ヶ月ほど前のことを思い出した。
 そのとき僕はまだラムザに所属していなかった。
 だからクイットたちとも出会っていなかったし、天使や悪魔も僕の中にいなかった。
 もちろん天使や悪魔が僕の中にいることはとても普通だとはいえないことだけれど、今は僕の中に彼女たちはいないのだ。
 それでも僕は普通ではないという言葉に反応した。
 僕には彼女たちのこと以外にも普通じゃないところがある、そんな気がする。 


 一月ほど前、僕は今と全く違うメンバーで旅をしていた。
 そのとき僕らは死者の塔と呼ばれる建物を上っていた。
 さっき僕の頭の中には急にその塔の情景が浮かんだ。
 もしかしてその塔に何かあったんじゃないか。
 僕が普通じゃなくなる何かが。
 僕が今みたいになってしまうきっかけがそこにあったんじゃないのか。


 そこで僕ははっとした。
 そうだ、今の今まで記憶がすっかり消えてしまったみたいに思い出せなかったけど、今思い出が蘇った。


 その塔に行く前にある伝説を聞いたんだ。
 それは例の死者の塔にまつわる話。


 話によればその塔には世界の至る所で死んだモノが集うと言われている。
 人間もモンスターも動物もすべて。
 上に行けば行くほど強力な力を持った亡霊がさまよい、進めば進むほど上った以上に引き返すことが困難になる。


 その塔は気が遠くなるほど大きく広い。
 しかもその塔には上に上る階段がないのだ。
 塔には不思議な仕掛けがあり、フロアの亡霊をすべて倒せば次へと進む魔法陣が現れる。
 そして次のフロアに進むと、下に降りる階段だけが現れるのだ。
 魔法陣に入らない限りはそのフロアにモンスターが増えたりすることはなく、亡霊を倒した後はたっぷり休憩をとることができた。


 しかしフロアを変えれば亡霊は復活する。
 次のフロアに入って敵をいくつか倒したものの、深手を負い一時退却。
 そして再び元のフロアに帰れば、部屋にいた亡霊は全て復活しているのだ。


 しかし、元の亡霊そっくりそのままではない。
 どこか違うところもある。
 中にはごっそり種類が変わっているときさえあるそうだ。
 これは実際僕らが中に入って戦い、実感した。


 そして、魔法陣で移動するということにも穴がある。
 実際便利で楽に見えるが、引き返すことを考えると全く楽ではない。
 というのも、魔法陣でとばされた先は確実に上の階に上ってはいるものの、何階上に上ったかはわからない。
 出口に帰ろうとしても何階降りればいいのかわからず、体力を消耗したところで亡霊たちに襲われ命を落とすことも少なくないそうだ。



 そしてこの塔についての話をしてくれた人物も実は亡霊である。
 というのも死者の塔へと誘う亡霊は世界各地にたくさんいるらしいのだ。
 その亡霊のことはあまりにも有名。
 ある程度力のある冒険者たちにその亡霊は生きている人そっくりの姿で話しかける。


 そして死者の塔について一通り、懇切丁寧に説明してくれ、最後に伝説を語るのだ。

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