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BLACK BIRD 第1章 -19-

「ひやぁぁぁ!」
 私は間の抜けた声をあげながら、杖を振りまくっている。


 何も考えなくてもただ杖を振るだけで、とりあえずは杖から火の玉やら雷やらが飛んでいき、ガーゴイルに傷を負わせることはできた。
 が、致命傷とまではいかない。


 周りは私の杖を警戒して少し距離をとっているもののガーゴイルだらけだ。
 どうして自分ひとりで敵に囲まれるというバカみたいな状況になっているのかというと、私がバカだからです。


 ・・・ではなく!
 断じてそうではなくていきなり襲い掛かってきたんだ!


 私たちの逃げ場がないと知ったガーゴイルのリーダーは手下達に号令をかけ、いきなり私たちを襲わせた。
 そりゃあ、いきなりって言ったってわざわざ「今から襲いますよ」なんて言うわけないけどさ。
 でも・・・!


 あぁ、どうやら思考回路はショート寸前らしい。
 完全に私はパニックに陥っていた。
 ただ闇雲に杖を振り回すばかり。
 さっきまでみんなの声も聞こえていたけど無我夢中で逃げたせいか、かなり離れてしまったようで、声も聞こえてこない。


 私は悪魔の顔を見ないよう・・・見たら動けなくなりそう・・・だからうつむいて走っていた。
 前にいるモンスターを倒し走っていれば誰か助けにきてくれる。
 そう思っていた。


 でも、少し冷静になって考えてみて。
 誰が私を助けるの?
 この大勢のモンスター相手で誰にそんな余裕がある?
 私が何とかしないといけないんじゃないの?


 そう思うといつも私が創造した物語が思い浮かんだ。
 その物語は女の子が主人公。
 彼女も私と同じ境遇で、いきなり別世界に飛ばされる。
 それでも彼女はいつも前を向いて、何があっても仲間を守る!
 そんなベタな設定を考えていたんだっけ。


 でもそのときは私だって魔法が使えたらモンスターなんてぜんぜん平気!
 私がその主人公になれたらいいのに!
 そう思っていたじゃないか。
 今は私が主人公。
 私だって魔法使い(見習いみたいなもんだけど)。
 私が一番強いんだ!
 それくらいの自信を持って!


 私は心の中でそう自分を勇気付け、杖を振るのをいったんやめた。
 そして前を向いたんだ。


 ・・・するとにたりと笑う悪魔の顔と、不気味に光るさびた剣先が目の前にあった。
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