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Another fantasy ? 123 ?

 ゆっくりと視界の中の光が消えていく。
 僕は完全に目を閉じてしまった。


 しかし眠いわけではない。
 でも夢を見ているような不思議な感覚。


 見えている、いや、見えていないのか。
 僕の視界の中には黒しかない。
 しかしその闇の中心がだんだんと揺らぎ始める。 
 そこから何かがでてこようとしているのだ。


 僕の心臓が激しく脈打ち始める。
 さっきみたものよりもまがまがしい雰囲気だ。
 目を開けたい。
 光を見たい。
 ディスが出してくれたあの暖かな光球の光を。
 しかし僕の瞼は全く動いてはくれなかった。
 瞼どころか体の至るところが自分の思うように動かない。
 動くのは闇を見つめる眼球だけだ。


 この闇はいったいどこにあるのか。
 不意にそんな問いかけが僕の心に響いた。
 何となくその声は死者の塔を連想させる。
 もしかしてこの声はどこかで聞いた声なのだろうか。
 一ヶ月前のあのとき聞いた声なのだろうか。 


 この闇の在処はどこか。
 また問いかけが響く。
 その声は僕の声にかぶってはいたものの、全く別人の声だ。
 僕の中には闇がある。


 今見ている闇は僕の中のものだ!


 僕の視界の中の揺らぎが笑っているように振動した。
 揺らぎの中に亀裂が走る。
 僕の体を恐怖が走った。


 真っ黒な亀裂の中から何かがでてきているのだ。
 それは・・・・・・


 指だ!
 


 僕はあまりの恐ろしさに叫びたくなったが、声をだすことすらできない。 
 僕はただ、荒く息をすることしかできなかった。
 


 亀裂を押し広げるように手がでてくる。
 その手は一つから二つに増えた。
 あの向こうに誰かいる!
 僕に問いかける何かが。
 


 しかし僕はさらに戦慄する。
 亀裂からでてきたのは二つの手だけではない。
 堰を切ったかのようにわらわらと手が現れ始めた。
 大量の指が芋虫のように這いまわり、僕はこれ以上ない悪夢をみた。
 いや、夢だった方がずっと楽だった。
 これは夢ではない。
 僕はそもそも寝ていないのだ!


 亀裂は広がっていく。
 いまにも僕は狂ってしまいそうだった。
 何なんだ、いま僕の目の前で起きているものは。
 いま闇の中からでてこようとしているのは何だ?
 そもそもこの光のない世界は何なんだ。
 僕の中にあった闇はもっと暖かかった。
 こんなにも暗くなかった。


 僕の中に僕じゃないものがいる。
 天使や悪魔のように友好的なものではない。
 果てしなく邪悪で、関わるべきでないもの。


 心臓がこれまでになく大きく脈打ち、僕は呼吸さえ不規則になった。
 痙攣するように細かく空気を吸うことしかできない。


 僕は誰に祈るでなく救いを求めた。 

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