スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Another fantasy ? 124 ?

「誰か助けて!!」
 自分の喉から声が出たかどうかは確かではない。


 ただ、助けはきた。


 僕は不意に胸に不思議な暖かさを感じた。
 闇の中に青い静かな光が延びてくる。
 


 心安らぐ暖かさを持つその光は、亀裂の内で動き回る指を奥に押し込め、隙間を閉じた。
 暗闇の揺らぎも消え、僕の体は自由になる。


 僕はゆっくりと目を開けた。
 そこにはさっきと変わらない風景がある。
 相変わらず僕は長方形の中にいた。


 ただ変わったこといえば、僕の周辺のモンスターがあらかた片づけられ、デーダ達が今最後のモンスターの一団を倒したところだった。
 僕は呼吸を整えながら、自分の体をみた。
 さっき僕を救ってくれた青い光は何だったんだろう。
 バリアのものでもデーダのものでもない。
 あの暖かいものは何だったんだろう。
 わかりそうでわからなかった。
 今は頭がとてもぼんやりとしている。


「おい!空を見ろ!」
 不意にそんな声が僕の耳に飛び込んできた。
 反射的に空を見上げる。


 僕の目は無意識に空にあいた穴を捉えていた。 
 その周辺にはすでに悪魔の姿はない。
 しかし、穴には変化が起きていた。
 何かが吹き出しているのだ。


 赤紫色の煙のようなそれはすごい勢いで吐き出されていく。
 だが、煙を吐き出しながら、徐々に穴は小さくなっていっているようだった。
 あの煙がなんなのか気になるが、穴が閉じることでこれ以上悪魔は増えないだろう。
 ひとまず安心だ。
 といっても、煙の正体がわからない限り、安心するのは早いかもしれない。


「やったぞ!後は船の上にいる奴を倒してしまえば終わりだ!」
 どこからともなくそんな声があがり、そこかしこから雄叫びがあがった。
 そうか、ようやくこの戦闘も終わるんだ。


 しかし僕はいいようのない不安にかられた。
 さっきの悪夢のような光景は今のこの事件が解決してもまた見てしまう気がしたから。
 今回の事件と、僕の中の変化は関係ないのだ。
 いくらこの事件が解決したとしても・・・・・・


 いけない!
 すっかり考え方が暗い方に行ってしまった。
 バリアが言ってたじゃないか、任せろ、って。
 彼女に相談してみよう。


 それに今彼女たちがいないけど、バリアが戻ってくれば彼女が番をしてくれるんじゃないだろうか。
 そう考えるとなんだか勇気と希望が出てきた。


 そうだ、ぼんやりしている場合じゃない。
 結局僕はぜんぜん役に立っていないじゃないか。
 ほとんどバリアやキルアに任せきりで、僕本人はまだほとんど何もしていない。
 まだ戦いが終わった訳じゃない。
 これからでも遅くない、みんなの手助けをしよう! 
 僕は勢いよく立ち上がった。


 するとそれに会わせたかのように僕を覆っていた長方形が消える。
 ちょうど魔法の効果が切れたようだ。
「ケイ!」 
 僕に気づいたデーダといたち顔の男性が駆け寄ってくる。


「手は・・・・・・すっかり治ったみたいだな!」
「え?!」
 デーダがほっとしたように笑ったのを見て、僕はあわてて自分の手をみた。
 いつの間にか確かに僕の手の傷は完治している。
 痕すら残っていない。
 これはいったいどういうことだ?


「どうした?そんなあわてて?」
 僕が急に表情を変えたものだから、デーダも男性も怪訝そうな表情をした。
「いや、何でもないんだ」
 僕が首を振ると、イタチ顔の男性が「まだ終わっていない。早く片を付けよう」と走り出した。
 デーダも僕に目配せし男性の後を追う。


 僕も今度こそ人の役に立つべく走り出した。
 次こそは自分の力で誰かの役に立ってみせる。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yamattulann

Author:yamattulann
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。