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Another fantasy ? 125 ?

 次こそは自分の力で誰かの役に立ってみせる、そう決意した次の瞬間、船が大きく揺れた。
 僕は思いきりバランスを崩し、こけそうになったところをどうにか踏みとどまる。


「なんだ?!」
 辺りを見回すが、不気味なほど海は静かである。
 嵐の前の静けさ、とはこういったことを言うのか。
 僕らは警戒しつつ身構えた。
 不意打ちを食らうかもしれない、ここはしばらく動かないでおこう。


 僕はちらりと空を見た。
 すると、さっきまで穴があった場所に何もなくなっている。
 違う場所を見てしまったのか?と空を見てみたが、どこにも穴はない。


 そうだ、きっとキルア達がもうふさいでくれたのだろう。
 さっき穴からでていた煙の正体が分からないままだが、今は影響がでていないもののことまで考えている余裕はない。


「今の揺れは悪魔の仕業じゃないよな?もうあいつらはいないし」
 イタチ顔の男性が言った。
 そこで僕はある光景を思いだした。


 僕が船室にいたときの窓からの情景。
 そこには巨大なタコがいたのだ。
 僕はそのことをデーダと男性に伝える。


「そんなのありかよ!わけのわからんモンスターに襲撃されたと思ったらオクトまでいやがった!」
 男性が思いきり顔をしかめる。
「オクト?」
 デーダが首を傾げた。


「おまえ、オクトも知らないのか?まぁそのなりだもんな、知らないのも無理ないか」
 オクトというのは海に生息するタコ型モンスターの総称だ。
 オクトにはいろんな種類がいて、だいたいどれもとても大きい。
 普段は海の魚モンスターを食べているけど、凶暴なものや、おなかが空いているときは、船を攻撃して沈め、中の人間や食料を食べる。
 オクトの武器はたくさんはえたその足で、容赦なく船をたたき壊すのだ。
 また、魔法を使うオクトもいるらしい。


「とにかくオクトっていうのは、海にきて遭遇したくないモンスターの代名詞みたいなもんだ」
 デーダは神妙な顔をして何度かうなずき、まじめな顔で口を開いた。
「ところでそいつは食えるのか?」
 僕と男性はうっと言葉に詰まる。


 まさか恐ろしいモンスターの話を聞いた後、そいつを食べるという話題を出してくるとは思わなかったからだ。
 誰もオクトを食べようなどと思わない。
 まず倒せず、弱らせて、船から追い払うのが精一杯なのに。


「おまえは将来大物になるかもな」
 男性は目を細めてデーダを見、ポリポリと頭をかいた。

 さすがデーダ、その見た目だけあってずいぶん柔軟な発想をするようだ。


「とにかく、他の冒険者達と合流しよう。ここはバラバラでいるよりいくつかに集まった方がいい」
 男性はさすが年長、こういうときの判断が速い。
 彼は人がいるであろう場所、船首に向かって駆けだし、僕らも後を追った。 


 大きく張られたマストは幸いなことにあまり損傷はないようだ。
 しかし悪魔のせいで、所々破けているものもある。
 このままでは予定通りにはメルタに到着しないだろう。

 床も所々はがれていて、ひどいところは下の船室が見えるところもあった。


「おーい!大丈夫かー?」
 男性が声を上げる。
 僕らの前方にはさっきまでモンスターと戦っていたのだろう、疲れて座り込んでいる戦士の姿や、未だ戦っている魔法使いの姿があった。


 僕はキトンとブレイズ、バリアを探す。
 特にバリアは光輝いているから見つけやすいのだが、今見える場所に見知った顔はない。
 僕らの前にはもう1本マストがあって、それが邪魔で船の先頭は見えなかった。
 きっと、ブレイズたちはこの先か、または船の後方にいるのだろう。


「おい、おまえさん」
 不意にイタチ顔の男性が僕に声をかけた。
「俺達はあそこの魔法使ってる奴の援護をしに行く。おまえさんはあそこに座り込んでる奴の様子を見に行ってくれ」
 そういうと、男性とデーダは先頭の援護に向かっていった。


 魔法使いはだいぶ疲れているようで、魔法を放つ度に体が大きく揺れる。 
 その人の前には、ヒトデや魚のモンスターが十数体。
 よく一人でがんばったものだ。


 僕はそんな魔法使いの様子を横目で見ながら、傷ついた戦士の元へ向かう。
「大丈夫ですか?」
 僕はその男性の前にしゃがみ込んで、声をかけた。

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