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Another fantasy ? 131 ?

「デーダ!僕は船尾の方に行ってくる!船首の方には誰もいないから後で、キルアたちに行ってくれるよう頼んでくれ!」
 僕はそう言い残し、かけだした。
 後ろでデーダがなにやら不満そうな声を上げたが、振り返っている場合ではない。



「俺は付いていってもいいっすよね?」
 そこにマオ君が後ろから付いてくる。
「あぁ、君はオクトを倒すのを手伝ってくれ!」


 彼はかなりの戦力になるだろう。
 なんたって魔王だ。
 空も飛べるし、何しろオクトに対して恐怖を感じていない。
 僕はさっきから心臓が鳴りっぱなしだから、心底マオ君の落ち着きぶりがうらやましかった。


 船首に行くのと同じく太くて大きな柱の横を抜ける。
 船尾まではあまり距離はないのに、今回はとても長い距離に感じた。
 至る所にモンスターの亡骸が落ちており、とても凄惨なことになっているが、人の姿はない。
 戦っていた人々はみんな船尾にいるらしいオクトの元で戦っているのだろうか。
 僕は床にたまっている液体で足を滑らせそうになりながらも走った。


 そして、最後、すっかり切られて垂れ下がってしまっているマストをくぐり抜けると、目の目に広がった光景を見て僕は息が詰まった。


 そこにはまだ数人の戦士がオクトに向かっており、そして、そのオクトは今にも船に乗り上げようとしていた。
 足がバチャバチャと水音を立てながら甲板にあがり、顔もほとんど見えている。
 そして驚くべき事に、そのオクトの足、吸盤が付いているだけのはずの部分から大きなトゲが生えているのだ。
 そのトゲで船を壊し、冒険者たちを攻撃している。
 トゲのせいで人々は迂闊には近づけないようだ。


 そして、僕があたりを見渡し、あまりの光景に叫び出しそうになった。
 そこには僕に背中を向ける形でブレイズが仁王立ちしている。
 彼の前にはいくつかトゲの折れたオクトの足があった。
 ブレイズは肩で息をしてかなりつらそうだ。


 そして僕が一番ショックを受けたのは彼の後ろ。
 そこにはキトンが倒れていたのだ。


「ブレイズ!」
 僕はかけだした。
 ブレイズの耳がぴくりと動くが振り返りはしない。
 目の前にオクトの足があるからだ。


「マオ君!頼む!」
「合点!!」
 僕はマオ君をブレイズの前でうごめくオクトの足へ向かわせ、ブレイズたちの元へ駆けつけた。
 マオ君が飛んできたところでようやくブレイズは僕の方を向く。


「ケイ!」
 さっきまで気を引き締めていたようだが、僕の顔を見た瞬間、彼は泣きそうな顔を浮かべた。
 キトンは海水などでぐっしょりと濡れており、所々赤いものが付いている。
 しかもよく見ればキトンの足は曲がるはずのないところで曲がっていた。


「骨が・・・・・・」
 思わずそうつぶやく僕の横で、ブレイズがひざを突いた。
「ブレイズ?!」
 あわててしゃがみ込み、彼の体を支える。
 彼は今にも倒れそうだった。
 僕の腕に彼の体重がずっしりとかかる。


 彼は泣いていた。

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