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BLACK BIRD 第1章 -21-

 ヤツは・・・強い!
 さすがリーダーだ。
 武器をまだ扱いなれていない俺に比べ、あいつは使い慣れた様子で漸激を繰り出す。
 何とか攻撃を受け止めたりかわすことはできているが、こっちの攻撃はほとんど当たりもしない。


 俺は舌打ちすると、後ろに飛び、距離をとった。
 敵はそんなもんかよ?とでもいうように肩をすくめ、宙で頬杖をつく。


 俺とそいつの差は歴然としていた。
 圧倒的にこちらが不利だ。
 このままではあいつの遊び道具のようなもの。
 一人では勝ち目がなさそうだ。


 あいつは何かまだ手があるのか?とでも言いたげな、見下すような目でこちらを見ている。


 俺は考えをめぐらし、一つの可能性を思いついた。
 もしかしたら、もう一度あの機械を使ってやつを調べれば、最初とは違う結果が出るかもしれない。
 可能性は低いかもしれないが、日の光という以外に何か自分でも突ける弱点が見つかるかもしれない。


 俺はそう考え機械をゆっくりと手にする。
 できるだけ不安そうな顔で。
 こうすればあいつは俺がいかにも何も思いつかないけど、とりあえず何かしようとしている、ただの悪あがきのように写るだろうと考えたからだ。


 そして、機械のメニューを開こうとボタンを押した。


「アニキイィィィ!!」
 すると突然機械からそんな大声が響いた。


                    :

 
「今・・・何か声が・・・?」
 私は消えそうな力を振り絞り壁を持ちこたえさせるとそう言った。
 その声は私の腰、ちょうど機械がついている場所あたり、それからむうの方からも聞こえた気がする。


 その声を聞いたガーゴイルたちは私たちの仲間が駆けつけたのかと思ったようで辺りをきょろきょろと見回した。


 でも今さっきの声は女の子と大人の女性の声のように聞こえたんだ。
 少なくともそれは私の仲間でも、ふよさんでもない。


「あ、ああ、ゆ、ゆう!」
 そう言ったむうの方を見ると、むうの手にあった機械の一番上、レンズのようなものから光が伸びていた。
 そして私の機械からもそれと同じような光が伸びているのが見える。


「何・・・これ?」
 私たちが呆然と光を見つめていると、光の帯は次第に球体のようになり、その丸い形もだんだんと複雑な形に変わっていった。
 まるで人のような・・・人?!


 だが私の機械から出ている光は人の上半身部分の形を残し消え始めた。
 むうの機械から出ている光は私のものと違って完全に人の形をしている。
 そして光が消え、光の中のものが見えるかと思った瞬間ひときわ明るい光が発せられた。


「ギヤァァァ!!」
 ガーゴイルたちは目を押さえながら身の毛もよだつような悲鳴を上げ、私たちから離れていく。


 そして光が消えたころ、私たちの前には一人の女性と、よくわからない乗り物のようなものに乗った小さな女の子がいた。


                   :


「うあっ!?」
 俺は思わずそう声をあげ、手に持っていた機械を放り投げてしまった。
 ガーゴイルのほうも驚きを隠せないようで、今は無防備だ。
 だがそんな敵の様子を見ても俺は動けなかった。


 そして機械を見ていると、いきなり機械についていたレンズ部分から光が発射される。
 その光は球体から何かよく分からない形へと変わり、ひときわ明るい光を発した。


 ガーゴイルは低く、苦しそうなうめき声を上げ眼を覆う。


 そして機械に目をやると光のあった場所に得体の知れない生き物が座り込んでいた。
「な、何だコイツ?」
 そいつはゲームに出てきそうな生き物に似ていてドラゴンのように見えた。
 水辺、または水中にでも住んでいそうな見た目で頭にひれがつき、まるでタツノオトシゴみたいだ。


 タツノオトシゴと違うところといえば手足と羽がついているところ、それから顔、だろうか。
 その顔はというと、くりっとした黒く大きな眼に、亀のような口、そしてそれや体の大きさからしてこいつはきっと子どもなのだろう。 
 頭のひれと同じように、手や足にもひれがついている。


「アニキ!これ落としちゃダメっす!」
 小さな龍はそう言うと、機械を手に抱えよたよたとこちらへ歩いてきた。
「わ・・・・。」
 俺はそれを見てやはり動けない。


 ガーゴイルのほうを見てみたが、やつもさっきの光で目がくらみ動けないようだ。


 そして龍の方へ目を向けると、そいつは俺の目の前をパタパタと一生懸命飛んで、機械を俺に差し出していた。
 こうしてみるとそいつは意外と可愛い顔をしている。
「アニキ!ハイ、これ!」
 俺は戸惑いながらも機械を受け取る。


 すると龍は床に降り、大きく息をついた。
「あ!アニキ、申し遅れましたっす!おれっち「シドラ」というっす。以後お見知りおきをっす!」
 そう言うとシドラとかいう龍の子はぺこりと頭を下げた。
「な、なぁ、自己紹介はいいんだけど、お前どっから来たの?お前は俺の何?」
 俺はガーゴイルを気にしながらもそう言った。


「何ってパートナーに決まってるじゃないっすか!いろいろ事情があって、ちょっと生まれるのが遅くなっちゃったんすけど。でもそんな説明は後っす!今はあのでかいのを倒さないといけないんっすよね?」
 シドラはそう言うとガーゴイルのほうを指差した。


 ヤツはもう立ち直ったようだ。
 思ったより回復が早い。


「あぁ。」
 俺はそう言ってうなずく。
 シドラについてはわからないことが多いが今はそれを聞いている場合ではない。


「なら話は早いっす!助太刀するっすよ!おれっち少しの時間ならおっきくなれるっす!アニキと二人で倒すっす!」
 と言うが早いかシドラは再び光に包まれる。
 今度は青い光だ。
 この光はあまりガーゴイルに聞かないようで光ではやつはひるまなかった。


 だが、その光はどんどん膨れ上がっていき、やがて光が消えると、大きくなったシドラがそこにいた。
 大きさは3メートルほどで、上に乗ることもできそうだ。
 これにはさすがのリーダーガーゴイルも思わずひるむ。


「おれっちたちのコンビネーション攻撃を見るっすよ!兄貴、おいらが攻撃した後に追撃するっす!」
 シドラはそう言うと、口から大量の泡を吹き出した。
 それの攻撃にガーゴイルはふらつきながらも飛んで避ける。


 だがその後ろに俺がいることには気づけない。
 俺が思いきり振り下ろした長刀はヤツの頭にクリーンヒットした。
「グガァアァアア!!」
 やつはそう悲鳴を上げると地面へ落ちた。


 すると、周りの風景が陽炎のようにゆれ始める。
 眩暈がし思わずふらつくと、シドラが俺を支えてくれた。
「アニキ!ここはたぶんコイツが作り出した異空間っす!アニキや敵の仲間が見えないのはきっとそのせいっす。アニキ、目を閉じておくっすよ!」
 俺はそのシドラの言葉を信じ目を閉じた。
 するとさっきまでの気分の悪さも引いていく。


「アニキ、もう大丈夫っす。さぁ、早く仲間を助けに行くっすよ!」
 しばらくしてそう声がし、眼を開けると、目の前には元の大きさに戻ったシドラが忙しく羽を動かしながら飛んでいた。


 辺りを見回すとリーダーガーゴイルの姿は見えず、その代わりガーゴイルが誰かを取り囲んでいるのが見える。
 俺は仲間を助けるため走った。
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