スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

プロローグ?G ?

 朝起きるとすでに両親は家にいなかった。
 もう畑にでていったようだ。


 私は服を着替え髪を縛る。
 食卓机の上にはタオルのかかった皿がおいてあった。
 布をよけると、きれいに剥かれ、食べやすい大きさに切られた果物が並んでいる。
 起きたら食べろと言うことなのだろう。


 今日はすっかり寝坊してしまった。
 昨日の疲れを引きずってしまったのだろう。


 昨晩は大きな獲物を追いかけてつい森の奥までいってしまった。
 結局その獲物を狩ることはできず、帰ってきたときは体はいつもよりずっと疲れていた。


 ここ数日は一人で獲物を追いかけてばかりいる。
 今日は誰かと一緒に狩りにいこうか。 


 私はみずみずしい果実を口にほおばりながら窓の外を見た。
 外は青々とした畑が広がり、その奥にはいつも狩りに出かけている森が見える。
 畑にはまばらに人影があり、その中に私の両親の姿もあることだろう。


 私がぼんやりと外を眺めていると、家の前から声が聞こえた。
「今日こそは大物を見つける」
「ほんとにそんなでかいのいたんだろうな?」
「ああ、その後ろをレーヌが追っているのも見た。ただ昨日は・・・・・・」


 そこまでしか会話は聞こえなかった。
 いや、聞こうと思えば聞けたが、人の話を盗み聞きするのはよくない、不意にそう思った。


 しかしそんなことは建て前だ。
 私自身がよく知っている。
 あの会話に私の名前ができたことで反射的に聞くのをやめてしまったのだ。


 そういえば最近両親に、遠回しではあるが結婚の話を持ち出されることがあった。
 確かにもう結婚してもいい年だ。


 幸いなことに私には好きな人がいて、その人は独身。
 ただ、今まで恋愛というものにほとんど関わらなかった私にはいったいどう行動すればいいのかさっぱりわからない。


 今日は彼らも狩りにでるとつい先ほど言っていたことだし、彼らと一緒にいこうか。
 


 それにしても私が昨日狩りをしている様子を見られていた、しかも顔が隠れていたのに、私だと気づくなんて。
「もしかして・・・・・・?」
 柄にもないことを考えて私は一人赤面した。
 何を考えているんだ、私は。


 とにかく、今日はあの大物を狩りたい。
 私は狩りに行くため、頭から布をかぶった。
 
裾が腰よりも長いその布から目の辺りだけを出す。



 これをかぶって目元だけで人を判断するのは、よほど特徴のある顔をしているか、それともその人物が特別な人であるかのどちらかではないか、と私はまた先ほどのような考えに走りそうになり、あわてて頭を降った。
 こんな調子では狩りを成功させることはできない。


 私は動物を狩るために使う槍を手に取り、雑念を振り払うかのように2、3度宙を突いた。
「大丈夫、調子は悪くない」
 私は一つ大きく息をし、ドアノブに手をかけた。


 最後に何となく振り返り、誰もいない部屋に向かって言う。
「行ってきます」

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yamattulann

Author:yamattulann
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。