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3?O

 今のところ誰にも姿を見られていない。
 それに万一見られても、もうこの辺りには知り合いはいないだろうから、大丈夫なはずだ。


 こうして僕はゲートの前にやってきた。
 そのすぐ前にある建物の陰に隠れて、そっと周囲を見る。


 門の前には二人の屈強そうな人間の男の人が二人立っていて、目を光らせていた。
 丈夫そうなプレートで胸を覆っていて、腰からは武器のように見える棒状のものを下げている。
 あの人達もきっと普段は町の外でモンスターと戦っているのだろう。
 僕が正面から向かっていったらあっという間に首根っこを捕まれて、家まで連行されそうだ。
 そんなことをされたら母さん達に大目玉を食らう。


 僕は辛抱強く様子を伺った。
 するとしばらくして、二人の見張りのおじさんの前に僕がいる場所とは別の所を通って、誰かがやってきた。
 その人は僕と同じ獣人だ。
 彼もきっと戦士なんだろう、おじさん二人と同じような格好だ。


 彼は何やら慌てたようにおじさん二人に話をし始める。
 そこで僕には再び異変が起こった。


 なんと話をしている男性の頭の上に何かが浮かび上がってきたのだ。
 それはゲームなんかで見る吹き出し、ウインドウってやつだ。
 じっと目を凝らすとウインドウには何やら文字が書かれている。
 遠くてよく見えないけれど所々読むことができた。


「魔物・・・・・・不穏な動き・・・・・・援護・・・・・・頼・・・・・・」


 もしかしてあれはあの男性が話している言葉なのか?!
 僕が目を見開いていると、話を聞いた見張りの人たちは顔を見合わせ、慌てたように走り去っていった。
 僕は今自分の身に起こった奇妙な出来事に心底驚いた。
 それに加えて、まさか僕が見ている前でゲートの見張りの人がいなくなるとは思っていなかったから、更に驚いた。
 しかしあんまりぼんやりしている場合じゃない。


 ゲートには大きなものでも出入りできるようにと、巨大な扉がある。
 その横には普通の人間が数人とれるくらいの小さめの扉があるんだ。
 オレンジの変なやつが言っていたことが本当なら小さい方の扉が開いているはず。


 僕はこそこそと門の前に近づいた。
 とりあえず僕の身に起こったことについて考えるのは後にしよう。
 一応見張りのおじさん達が去っていった方を見てみたけれど、もう誰の姿もない。
 念のため僕がきた方もじっと見てみたけれど、誰も僕を見ていないようだ。


 僕は早速小さな扉があるだろうと思われる場所へと近寄る。
 全体的に、銀色に光る金属で作られたゲートはぱっと見、どこが扉なのか分からない。
 でも、扉には小さな取っ手がついていて、そこは綺麗な長方形の切れ目がある。


 僕はじっと目を凝らし、なんとかそれを見つけた。
 そこには長細い四角の切れ目があり、ちゃんと小さいレバーのようなノブがついている。  
 レバーの周りにはでこぼこがあり、穴もいくつかあいていた。
 そのいろんな形をした穴などが鍵で、普通の人には複雑すぎてドアを開けられない。


 だから普通なら僕みたいな子供が外に出られるはずはないのだけど・・・・・・。
 僕は思いきってドアノブをひねった。
 その取ってはきちんと下へ下がる。
 僕はもしかして、と、期待を込めて、ドアを押した。


 すると音もなく扉が開いた!
「やった!」
 僕は小さくガッツポーズをする。


 しかし、待てよ?
 ここを出た後、もしこの扉の鍵が閉められてしまったら?
 分厚い扉を見て、僕はそう考えた。
 いくら力が強くてもこんな分厚くて丈夫な扉をぶち抜くなんてことはできない。
 ここからでたら家に戻れないかもしれない、ということを考えないといけなかった。

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