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7?G

「それにしても」
 私は歩きつつ、さっきの、どこからか様々な声が聞こえてくるという奇妙な現象について、考えを巡らせた。


 一つ仮説を立ててみよう。
 さっきの声は今この地で誰かが言った言葉なのではないか、ということ。
 そして、ある程度自分自身で制御が聞くのではないか、ということ。


 これを元にいくつか実験をしてみようじゃないか。
 まだ町らしき場所まではずいぶんと距離がある。


 まずは、さっきのように声を聞くためにはどうすればいいかを考えてみよう。
 しかしさっきのように一度に声が流れ込んできてしまっては困る。
 もしさっきの力に制御が効くのなら、条件付で特定の声を捜すという事ができるのではないだろうか。

 ここは条件付きで考えるのが得策だろう。


「そうだな・・・・・・」
 自分の一番近くにある声、というのはどうだろう。
 そう考えた途端、何かの声が耳に届いた。


「あの棺桶が言ったことは嘘だったのか!?」
「僕たちの声が聞こえるなんて人いないじゃないか!」
「そもそも?、普通の人すら?、いな?いね?」


 またいくつもの声が聞こえた。
 私はすぐさま止まれ!と心の中で叫ぶ。
 瞬時に声が止まった。
 私は目をしばたたいた。


 今回もまたいくつもの声が聞こえたが、先程とは違いこの声達はつながりがあるような気がする。
 そして気になるのは、僕たちの声が聞こえる人がいない、とかいう言葉だ。
 それは私にははっきりと聞こえた。
 その言葉は内容からしてきっと普通の人物が発した言葉ではないだろう。
 大きく聞こえたその声は、きっと近くにあるはずだ。
 この辺りををさがしてみれば、今の声の主がいるかもしれない。


 そう思って、先を見てみると、きらりと何かが光っている。
 どうも何かが日の光を反射しているようだ。
 足早にそこへ駆け寄ると、そこにはペンダントが落ちていた。


 金らしきもので囲まれた中に、虹色の石らしきものがすっぽりと収まっている。
「これは・・・・・・」
 ペンダントを持ち上げてみる。
 よく見ると真ん中の石は僅かにふるえているように見えた。
 まるで何か言葉を発しているような・・・・・・言葉?


「この石の声が聞こえる?」
 私が何の気もなしに呟いた次の瞬間、大きな声が耳に飛び込んできた。
(おまえ俺たちの声が聞こえるのかって聞いてんだよ!!)
 いきなりの怒声に思わずペンダントを取り落としてしまった。


(こら!そんな大きな声だすんじゃない!)
(でも、今、聞こえた、みたいだ)
(あ!!)
 ペンダントから様々な声が聞こえる。
 私は頭痛がしそうになった。
 何なんだこれは。
 なぜ首飾りの中から声が聞こえるんだ。


(皆、黙ってくれ。私が話す)
 そんな中、不意に石の中から落ち着きのある声がした。
 心なしかその声は、声自体は全く違うものの、今日家の前で聞いたあの人の声に雰囲気が似ていた。
 私はそのまま立ち去ろうとしたのを改め、もう一度、ペンダントを拾い上げる。


(驚かせてすまない。もう一度聞こう。あなたは私たちの声が聞こえるのか?)
 私はどう答えるべきか一瞬迷ったが、うなずいた。
(そうか、聞こえて、いるのか)
 次に聞こえたその声は僅かに震えていた。


 何か怒らせるようなことを言っただろうか、と不安になったが、声の震えは怒りからきているものではなかった。
(やっほー!!あんたが俺たちに体を貸してくれる人か?!)
「は?体!?」
(ちょっとあんた!私たちの声が聞こえる人は二人いるって言ってたでしょ?この人じゃないかも・・・・・・)
 この石の中の声は一体何を言っているのか。


(すまない。悪いが、私たちの話を聞いてくれないだろうか)
 様々な声が騒ぎ立てる中、また落ち着いた声が言った。
「あぁ、一体どういうことを言っているのか説明してもらいたい」

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