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RAINBOW STORY ? 164 To my home

「う?ん、話すと長くなるんだよね」
 私は向こうの世界に行っていたことを話すのを渋った。

 大体がそんな突飛なこと信じてくれるはずもない。



「話したくない感じ?」
「できれば、今は」
 というか音操には話したいという気になれない、っていうのが本音だけど。
 そこまで私はストレートじゃないし。
 人の気持ちを考えない訳じゃない。
 まぁ、音操の気持ちなんて分かんないけど。


「そっか。じゃ、いいんだ」
 意外とあっさりと奴は引き下がった。
 私はちょっぴり拍子抜けしたけど、いろいろ根ほり葉ほり聞かれるのもイヤだし、黙ってジュースを飲む。


「あのさ、これからどうする?みた感じ授業ないみたいだし」
 へらっと笑って音操が話を切りだした。
 どうもジュースはもう飲み干してしまったようだ。


「そうだね。私は家の様子を見てみたいかな」
「家の様子って、さっき出てきたばっかりなのに?」
 音操の反応に私ははっとした。


 そういえば私が向こうの世界にとばされてからこの世界はいったいどれくらい経っているんだろう?
 でも、音操の様子からして私は長い間失踪していたわけでもないようだ。
 今日の日付を今聞くのも変だし、どこか別のところで確認しよう。


「家に行きたいって言うのも、なんか事情があるわけ?」
 私が黙ったままなのを見て、音操が聞いてきた。
「ま、まぁね」
 私は軽くうなずいた。


 きっとお母さんは心配しているに違いない。
 お風呂に入ったはずの私が気づいたら跡形もなく消えていたんだから。
 しかもチャイまでいないとなれば、お母さんの心配は尋常じゃないはず。
 きっと警察にも通報しただろう。
 音操は昨日は歌の練習をして、疲れたと言っていた。
 だからこいつの耳には私が失踪したことは伝わっていないのだろう。


「そんじゃ、早いとこ、ここを出るか。美咲んちに行こうぜ」
 音操は立ち上がった。
 ほれ、と手を差し出してくる。
 私は一気にジュースを飲み干し、その手に空の紙コップを渡した。
 音操はそれを専用のゴミ箱の中に乱暴につっこみ、私の方を振り返る。
 私を目で促し、音操はさっさと言ってしまった。
 私も席を立つと、チャイを手で呼び、音操の後を追った。

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