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RAINBOW STORY ? 165 Appearance of monster

 外に出ると、空気が変な感じがした。
 何というかいつもと違うけれど、でも、すんなりと受け入れられるような、そんな空気。


「なんか妙な天気だな。肌がぞわぞわする」
 音操はポケットに手を突っ込み、空を見上げた。
 今は夏、暑いはずなのに、今は曇っているからか、涼しかった。
 乾いた風が吹いている。


「何だろう、少し懐かしいような気もする」
「この妙な空気が?」
 私が思わずつぶやくと、怪訝そうな顔をして音操がこっちを向いた。
 青い目にじっと見つめられ、思わず目をそらしてしまう。


 この音操という奴、日本人なのに、目が青いのだ。
 なにやらいろいろと事情があった気がするが、ややこしいので忘れてしまった。
 髪は真っ黒なのに、目が青いのはなんだか変な気がするのは私だけだろうか。


「この妙な空気。美咲、なんか知ってんじゃないのか?」
 音操がそう言ったときだった。
 どこからか人の悲鳴が聞こえたのだ。


「何だ?!」
 辺りを見回せば、通りを誰かが血相を変えて走ってくるのが見えた。
 その後ろには何か人ではない黒い生き物。


 その奇妙な生き物は背中に羽が生えている。
 まるでコウモリのような羽。
 手には何かきらりと光るものを握っている。


「な、なんだあれ!!やばいんじゃないか?!」
 音操が青ざめた顔でのけぞる。
 こっちに何かわめきながら走ってくる女性はその生き物に追われていた。
 それはどう見ても悪魔のようで、この世界にいるはずのないもの。


「モンスター!?」
 やはり私の身には次から次へと有り得ないことが起こる。  
 ただ、今度ばかりはゆっくりと考えている時間がない。


 私は腰に巻いた上着に挟んでいた、バッチファイルを取り出した。
 思いだしたのだ。
 この奇妙な空気について。


 ここの空気は異界のものとほとんど同じだ。
 フレア、リリス、レイさん、ブラン、ブラストさん、みんなと出会って、一緒に戦った、あの世界。
 そうだ、ここには魔力がある!


 私はとにかく目に付いたバッチをとりだした。
 今まで使ったことのないバッチだ。
 模様は赤地に白と青のストライプの十字が描かれたもの。 
 私はそれを握りしめ、力を込める。


 力を使う時はもう、あの世界にいたときと、なにからなにまで同じだ。
 手が熱くなる。
 バッチを握った手を持ち上げると、人差し指の先が光っていた。
 どういう力をこのバッチがもたらしてくれたのかは分からないけれど、とりあえず、こちらに向かってくる悪魔に指先を突きつける。


 すると、私の指先から綺麗な水色をした細い光線が延びた。
 光はまっすぐに延び、悪魔へと直撃する。
 ちょうど悪魔の胸に当たったその光はぶつかり悪魔を貫通する。
 とたん、悪魔の中へ入った光が様々な方向へと延びた。
 細いストライプの線が悪魔の内部から飛び出る。
 その青と白に分かれた光は最後大きな十字を形作って凄惨な場面を描き、悪魔の息の根を止めた。
 どさりと悪魔が地面に落ちる。
 気持ちの悪い深緑の液体が流れ出てきたものだから、私は思いきり目をそらした。


 どさりという音を聞いたからか、走ってきていた女性は悪魔が倒れたということが分かっただろう。
 でも彼女は走る足を緩めず、私たちの元へ駆けてきた。

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