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30?P

「あ、お母さん」
「なぁに?」
 冷蔵庫らしきものをあけ、中を物色する背中に少年が声をかけた。


「赤い羽って知らない?」
 うぉ、ストレートに聞いたな!
 まぁ、驚いた表情を露骨に出したのは俺だけだったけど。
 少年とにこにこしているキムラさん以外みんな能面のような無表情だ。
 まぁ、ボーニンたちがその表情なのは仕方ないけど。


「さぁ、知らないわねぇ。急にどうしたの?」
「えっと・・・・・・」
「私が探しているんです」
 困った少年にキムラさんが助け船を出した。


「私の知人が赤い羽、というものを探していて、私も是非見てみたいと思っているのです。何か知りませんか?」
 知人、まぁ、ボーニンのことか?
 ボーニンを見ると、さっきと少し表情が変わっていた。
 やっぱ生きてるんだな。
 なんか・・・・・・やっぱこいつ不気味。


「そうねぇ、私は知らないわねぇ。あ、でも知り合いに鳥に詳しい人がいるわ!」
 冷蔵庫からいろんな食品を引っ張り出し終えたお母さんは、さっき何かをおいた棚に走った。
 そしてその引き出しをあける。


「えっとねぇ、クアーブ、クアーブ・・・・・・」
 お母さんは引き出しから指の間に挟んで取り出した紙を眺めた。
「あ、これよ、これ」
 キムラさんに一枚、そして少年につきだしたその紙。


「お兄さん、受け取って」
 この人たちは手が肉球だからかなりいろんなことが不便そうだな。
 俺は紙を受け取り、それを見た。


 そこには平べったいドームみたいな建物の写真と、簡単な地図、そして、クアーブ鳥類研究所、と書かれていた。


「クアーブ?」
 少年が聞くと、お母さんは大きくうなずき「そうよ、鳥の博士。母さんの同級生」と笑顔で語った。
「なんか聞いたことあるな」
「そりゃ、テレビにもでていたもの」
「あ!いつだったかお母さんがわいわい言いながら見てた!」
「そうそう!」
 お、その博士っていうのは結構有名な人か、相当鳥に詳しい人だな!


「彼に聞けば何かわかるかもしれないわ!」
 お母さんはどこか機嫌良さそうにキッチンへと戻る。
「なるほど・・・・・・」
「ねぇ、僕も勉強にその博士のところに行きたいんだけどさ!」
「うん?そうね・・・・・・。じゃぁ、おみやげ持っていってもらおっかな?」お母さんは後でバス代渡すね?、と明るい声で言った。


「じゃぁ、そろそろあたしは・・・・・・」
 そこでおばあさんがよっこらしょと立ち上がった。
 でも、そろそろっていったって俺たちはどこにけばいいんだ?
 俺は金も持ってねぇし、ほかの人たちだってそれは一緒だろう。
 少年は家がここだし、レーヌさんはここに泊まることが決定したけど・・・・・・。


「あ、母さん!あの、兄さんも泊まってもらって良いかな?」
「え?」
 俺とお母さんは同時に声を上げた。


「あぁ、そうね、後一人くらいならかまわないわ」
「そうかい。じゃぁ、泊まっておいで」
 戸惑う俺をよそに話は進み、ばあさんも本当のおばあちゃんみたいな優しげな笑顔を浮かべた。
 このばあさん・・・・・・役者だな。


「じゃぁ、あたしはそろそろおいとまさせてもらおうかいの」
「では私も」
 キムラさんも立ち上がり、ボーニンたちを腕に抱えた。


「あら、もう帰るの?」
 お母さんが再びキッチンからこちらへ戻ってくる。
 そしてキムラさんと名残惜しそうに話し始めた。
 どうもお母さんキムラさんを気に入ったらしい。


「あ、ところで」
 不意にばあさんが振り返り、お母さんに聞こえないような小さな声で言った。
 驚いたことにばあさんの目は元の青色に戻っている!



「この近くにものがたくさんあって広い場所はないかい?」
「え?えっと、近くに広いゴミ捨て場があるよ」
「うむ、結構」
 ばあさんは少年の返事に満足そうにうなずいて、きびすを返した。


「ではおいとまさせていただきますねぇ」と、極普通のおばあちゃんみたいな声を出すと、出口に向かっていった。
「それじゃ、私も」
 キムラさんもお母さんに一礼し、出口へと向かっていった。


「それじゃ、レーヌさんと兄さん。部屋を案内するよ」

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