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34?G

「あら、森?都市の生まれじゃないのね?」
「あぁ。ずっと森で過ごした」
「じゃぁ、なぜ旅をしているの?目的は?私に手伝えることがあったら・・・・・・」
「母さん!」
 続々と言葉を投げかけるムムをメックが止めた。


「そんなに質問責めにしたらレーヌさんが困ってるじゃないか。いくら小説のネタになりそうだからってさ」
「小説?」
 メックの言葉にイラが顔を上げる。


「私小説家なのよ。家で小説を書いてるの。ただ主婦の仕事をするだけっていうのも退屈じゃない?」
 話を聞くと彼女は冒険小説を書きたいのだという。
 今までも町を魔物から守る戦士の話を書いていたのだとか。
 どうも何かと戦う、という話が彼女は好きらしい。
 そこで私の体験を小説の参考にしたいのだとか。


「ねぇ、森に住んでたってことはこの町みたい生物から守る塀なんて物はなかったんでしょ?」
「もちろんだ」
「じゃぁ、モンスターがやってきたらどうするの?」
「戦うに決まっているだろう」
「みんな?」
「そうだ、私の住んでいたところにいた者はみんなある程度魔物と戦うことができた。子供でもな」


 子供、というところに子供たちは少し反応した。
 そしてメックの方に視線を投げかける。
 しかし何か言葉を発することはしなかった。


「あ、それで、旅の目的は?」
 ムムは子供たちの反応については特に気にせず、話を続けた。
 さて、なんと答えるものか。


「捜し物があるんだ」
「あら、あなたも?」
「そうだ。私は翠の長靴という物を探している」
「赤い羽に、翠の長靴ねぇ。不思議な捜し物」
 確かにそうだ。
 私たちが探すよう命じられたのはありそうでないもの、そんな気がする。


「何か特別な物なの?」
「あぁ。とても特別なものだ」
「じゃぁ、思いでのある品なのね」
 ムムはぼそりとつぶやいた。
 思い出の品というわけではないが、そう思っていてもらった方が好都合だろう。


「それじゃ、機会があったら調べてみるわ」
「よろしく頼む。明日はまたこの町を調べてみるつもりだ」
「あら、じゃぁ、しばらくはこの町にいるの?」
 これは、どう答えたものか。


 明日はメックが赤い羽根について調べるべく、違う町に行くことになっている。
 全員でそれについて行くのだろうか。
 しかしそれだと移動に困るだろう。
 きっと何人は町に残るはずだ。
 それに少年だって、日帰りで帰ってくるだろう。


「そうだな、しばらくはこの町で過ごそうと思っている。ただ、いつ出発するかはわからんがな」
「それじゃぁ、その間はここに泊まっていけばいいじゃない?歓迎するわ!」
 心底うれしそうな声で彼女はいった。
 私としては心の底から断りたかったが、かといって私に明日から泊まる場所などあるのか?


 そういえばあのロザンナという老婆や、ボーニンたちはどうしているのだろう。
 どこか泊まるところを見つけたのだろうか。
 最悪は野宿だ。
 私は別に野宿でもあまり困らないが、服は一着しか持っていない。
 これを汚すのははばかられる。
 万一ロザンナたちがうまくやって泊まる場所を確保していたとしても、私が一人増えれば彼女らに迷惑をかけることになるだろう。


 私がなぜか猫が怖い、というだけのことで、ほかの面々に迷惑をかけるわけには行かない。

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