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Another fantasy ? 138 ?

「あ、おまえ大丈夫か?腕怪我してる・・・・・・」

 ひのたんの元へと駆け寄ると、彼は少し表情を曇らせた。

「それに、おまえどろどろじゃないか」



 階段にはきちんと明かりが灯っており、周囲は明るかった。

 そこで見た僕の服はこれまでになく汚れていたのだ。

 茶色や赤、緑など、人の血やモンスターの体液、それから泥など、一番上に羽織っていた白いローブは見る影もなく汚れて、白とはとてもいえない色になっている。



 特に先ほど魚モンスターの残骸を頭からかぶってしまったことが痛手だったようだ。

 これではもうこのローブは着れないし、そもそも使いものにならないだろう。

 さっき回復魔法が使えなかったときは、考える間もほとんどなかったせいでかなり焦ったが、今思えば、たぶんローブが汚れすぎたせいで、回復魔法を使えるようになる恩恵が薄れてしまったのだ。



「まったく。どうして大事な品物を戦場にかり出さないといけないんだ。傷が付いたらどうしてくれる」

 そして、さっきからグチグチとぼやいているのがウサギに似た不思議な生物。

 この生き物はしゃべることができるのか。

 いったいどんな生物なのか、今度機会があったら調べてみよう。

 それにしても少し偉そうな口調だ。



「こいつはこう見えて商人なんだよ」

「こう見えて、は余計だ。僕は世界でも珍しい愛玩用モンスターを取り扱っている。世界中に僕を持っている顧客がいるんだ」



 なるほど、きっと彼は世界各地を転々としているのだろう。

 そしてたまたまこの船に乗り合わせた、ということか。



「君、名前は?」

 僕が聞くと思い切り不機嫌そうな顔で、睨むように彼は僕を見た。

「普通、僕はお客にしか名を名乗らないんだがな」

「じゃぁ、おまえでいいか?」

 ひのたんが口を挟むと彼はぎゅっと鼻にしわを寄せた。



「クリアだ」

 ぶっきらぼうに言うと、彼はぷいと顔を背けた。

 僕の膝ほどまでしかないその頭を見下ろしつつ、これからどうすべきか考える。



「さっきの生き物は?」

 とりあえず今モンスターと戦ってくれている生き物がどれほどの数いて、どれくらいの力を持っているのか知らないといけない。

「あれは、サッシャと呼ばれる生き物だ。愛玩動物としては人気も高く、比較的戦いにも慣れている。一級品だ」

 生き物をあくまで商品としか見ていない、冷めた口調で彼は言った。

 僕はその態度が気に食わなかったが、今命がどうとか言っている場合ではない。



「それで、どれくらいの数が?」

「およそ、100」

「100!」

「ただ、あいつらがあくまで愛玩動物であることは忘れるな。今はまだ元気だが、そのうちスタミナが切れて、戦うのをやめてしまうだろう」

 つまりは、結局ゆっくりしていられないということだ。



 そこまで考えたところで急に僕をめまいが襲う。

 視界が回り、思わず足が段の上で崩れた。

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