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Another fantasy ? 139 ?

「あ、おい!」

「大丈夫か?」

 へたり込んでしまった僕の頭上から、クリアとひのたんの声が降ってくる。



 僕の視線は無意識に腕の方へと向いた。

 怪我した部分から血が滲み、袖全体が真っ赤だ。



「まったく、止血くらいしておかないか!」

 クリアが怒鳴った。

 甲板のモンスターを気にするあまり、さっきまで自分のことを放り投げていた。

 あまり気になっていなかった痛みが勢いを増す。

 しかし血を止めようにも、片腕しか使えないと一人ではどうしようもない。



「ごめん・・・・・・なさい、血を止めるの手伝ってもらえますか」

 クリアやひのたんに僕の体を支えてもらうことは無理そうだ。

 ここにいるメンバーでどうにか応急処置をしなくては。



「あぁ、仕方ないな」

 クリアは大げさにため息をつくと、おい、おまえ、とひのたんを指さした。

「うん?」

 おまえ呼ばわりされたことに腹を立てたのか、少しぶっきらぼうにひのたんが返事を返す。



「こいつの袖をめくって、患部を出してくれ」

「おまえがやればいいじゃないか!」

「いやだよ、僕の毛に血が付くじゃないか。商人は身なりも大事なんだからな」

「見た目なんか気にしてる場合じゃないだろ!」

「しかし、僕の毛には何が付着しているかしれない。下手なことをすれば傷口から新たな菌が彼の体に・・・・・・」

「あー、もう、わかった!!」



 しばしの口論の後、ひのたんが折れた。

 僕の方としては、どちらでもいいから早くしてほしい。

 だんだん意識も朦朧としてきた。



「おい!ちゃんと起きておけよ!」

 そんな僕の顔をクリアが叩く。

 一方ひのたんはクリアを恨めしそうな目で見つつ、僕の袖をめくった。



 しかし、赤く染まったローブをめくったところに、もう1枚布が現れた。

 僕は白いローブの下に、攻撃魔法も扱えるようにするため、黒いローブも着ていたのだ。 

 黒ローブの袖は比較的腕にあわせた細目のもので、これをめくると確実に傷に触れて痛い。

 僕がそれを見て、顔をしかめると、クリアは鼻にしわを寄せた。



 ひのたんはどうしようか、という顔で僕とクリアを交互に見る。

「仕方ない、おまえはよけていろ」

 ひのたんを乱暴に払うと、クリアは怪我をした腕の前にしゃがみ込んだ。

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