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Another fantasy ? 145 ?

 僕は何が起こるかわからないながらも、光に包まれた右手の平に力を込めた。

 いつも魔力を手のひらに溜めるのと同じ要領で、だ。



 するといきなり手の光が大きく膨れ上がり、あたりに飛び散った。

 僕は驚いて手に魔力を溜めるのを止めたが、飛び散ったものは元に戻しようもない。



 僕が見ている中、あたりに散らばった光はそこら中に落ちていたモンスターの死体に吸い込まれていった。

 そう、全ての光が狙っていたようにそれぞれもう生きてはいない体の中に入り込んでいったのだ。



 僕は空恐ろしくなったが、今更どうしようもない。

 手の光の消し方も分からないのだ。

 僕は動けずにその場に立ち尽くした。



 目線は死体から離すことができない。

 そんなもの見つめていたくないのに、僕は動けなかったのだ。

 そこから視線を離したとたん何かに襲われるような気がした。



 そして、少しの間をおいて、死体に変化があった。

 動かないはずのそれが動いたのだ。

 辺りに散らばっていた、魚やクラゲ、ヒトデの形をしている肉塊が起きあがる。



 僕は目を離せないまま首を振った。

 そんな恐ろしいことがあるはずがない、と。

 しかし現に目の前で起こっているのだ。



 そして状況を見るに、この現象を引き起こしたのは僕だということは明らかだった。

 僕は自らの右手が恐ろしく、思い切り腕を振った。

 先ほどクリアに治してもらった傷が開くのを感じた。

 しかしそんなことは気にならなかった。

 一番の恐怖は自らの傷が開いてしまうことより、右手に宿る得体の知れない力だった。



 そして僕は閃いた。

 腕を力無くおろす。

 血が伝い、指の先から落ちるのを感じた。



 先ほどの呪文を翻訳した言葉、ナキガラツカイ。

 それは、亡骸使い、だ。

 滴る僕の血の先には最初甲板に上がったときに僕が切った、体が半分しかないヒトデがトゲを光らせ立っていた。



 刹那、僕の頭に声が響いた。

 視界が暗くなる。

「ここは我に任せておけ。悪いようにはしない」

 低い笑い声が入る。



 その声は人のものではない、そう思った。

 ささやくようなその声は、今まで聞いた声の中でもっとも恐ろしい響きをしていた。

「おまえが目覚めたときには、平穏が訪れていることだろう」



 視界が全くきかなくなった。

 僕は暗闇の中放り出される。

 僕の体は動かなかった。

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