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Another fantasy ? 147 ?

「何から話そうか」

 手近なイスに腰掛けるとクレディーはそう問いかける。

 僕は少し首を傾げ、「他のみんなは?」と聞いた。



「あんたの仲間で言うと怪我してるのはキトンって子だけだね。彼女はあたしの家で寝てる」

「クレディーの家?」

「そう、あたしはここで、この町で暮らしてた」

 今はずっと旅しててほとんど帰ってくることはないけどね、と付け加える。



「じゃぁ、この家は?」

「ここはニーアの家。ニーアってのはあたしの友達で、話によるとあんたに助けられたらしいよ」

「助けた?」

 なんだか助けられた記憶ばかりで助けた人の顔が思い浮かばない。



 名前からして僕の助けた人物というのは女性のようだ。

 顔を見れば分かるって、そういうとクレディーは話を続けた。



「それで、クイットとかブレイズ、変な手みたいな奴はキトンの見舞いをしてる。あと、悪魔みたいな見た目の人と天使はいつの間にか消えてた」

 悪魔みたいな人、というのはキルアのことか、それともビシウスのことか。

 どっちにしても目に見えるところにはいないか。



 しかし、バリアとキルアが消えたということは、今彼女らは僕の中にいるってことじゃないか?

 さっきから何もいってこないけど、寝ているのだろうか。



「それで、ここはヒリウ島。ヒリウっていうのは空を飛ぶ、って意味」

「飛ぶ?」

「あぁ、この島の中心には大きな木が立ってんだが、そこには先住民の不思議な奴らがいてさ。そいつらの使う魔法が島の名前の由来に関係してるらしい」

 クレディーはその先住民たちにあったことはないが、何度か彼らがここにやってきたことはあるらしい。



「ここは見たとおりの港町でさ。先住民の連中もたまに魚を買いにやってくるのさ」

 僕は何となく先住民と聞いてデーダのような人々を思い浮かべた。

 ああいう感じの野生児みたいな人たちだろうか、その先住民というのは。



 僕が先住民について考えていると、おっと、話が逸れたな、とクレディーは頭をかいた。

「それで船は?」

 僕もいろいろと聞きたいことがあったのを思い出し、口を挟む。



「あぁ、それそれ。いや、おまえも分かってるとは思うけど船の損傷が激しくてな。修理に時間がかかるらしいんだ。ここにも船はあることにはあるが、小さくてとてもやってきた人全員を乗せることはできない。それにスピードもそんなにでないしな」

 なので、急ぎの用事のある人だけがここにあった船に乗せてもらって、当初の目的地ヘイブグレアに向かったそうだ。

 ちなみにその急いでいる人の中には、船で世話になったイタチ顔の男性、デイネルも入っていたらしい。

 一度お礼を言いたかったが旅立ってしまった分には仕方がない。

 またどこかで会うことがあればそのときにお礼を言わせてもらおう。



 そして、腕の傷を治してくれたクリアや彼の連れていたモンスターたちももう行ってしまったそうだ。

 ただ、彼はしばらく船の目的地、ヘイブグレアに留まるつもりだと言っていたらしいから、もしかすると近いうちに会えるかもしれない。



 それから、ハーピーたちも島についてすぐにどこかへ飛び去っていってしまったそうだ。

「そのハーピーからおまえに」



 僕がきちんとみんなに別れを言いたかったとこぼすと、クレディーが肩に掛けていた鞄から何かを取り出した。

 それは赤やオレンジ、黄色など様々な暖色系の色が混ざった美しい大きな羽だった。

 これをどこか服に飾りつければ人目を引くこと請け合いだ。



「そうそう、クリアっていうちびっ子がその羽は値打ちものだって言ってたぞ。価値が分かるものに売れば、相当潤うってさ。もちろん僕はその価値がわかる、とか言ってたぜ」

 そういうとクレディーはまた鞄から何か取り出した。

 今度はメモ用紙のような小さな紙切れだ。



「これがそのクリアって奴から。しばらくここにいるから用ができれば来いってさ」

 それはヘイブグレアにあるとある店の住所と地図が書かれていた。

 どうもそれがクリアが持っている店らしい。



 行商人のような感じだったが支店も持っているようだ。

 メモ帳にはご丁寧に複雑な模様の判子まで押してあった。

 判子はクリアの特徴的な耳のような水晶をモチーフにしたもののようで、店のシンボルも同じようなデザインだ。



「あいつって性格はあんまよくなさそうだが、意外と悪くないな」

 クレディーがメモを見つめる僕を見て笑う。



 しかし彼女は思いだしたように笑顔を引っ込めた。

「そうだ。これからおまえどうすんだ?仲間のキトンって子は骨が折れててな。きちんと直るまで数週間かかる。船が直るのもそれくらいだが、どうする?」

「どうするも何も、船が使えなかったら移動しようがないよ」

 別の大陸に移動するにはまず船しか乗り物がない。



 もちろん移動用の魔法があったり、空を飛ぶ乗り物もあるけど、魔法は修得が難しいし、空飛ぶ乗り物は運賃が高い。

 ここはおとなしく船が直るのを待つしかない。

 それにこれはせっぱ詰まった旅というわけでもない。



 ひのたんが実はドラゴンで、彼によるとメルタにある火山に行けば彼の親であるドラゴンに会えるらしい。

 そしてそのドラゴンに会い、ひのたんが奪われてしまった本来の体を取り戻す手伝いをするのが、今回の仕事だ。

 急ぐに越したことはないだろうが、ほとんど冗談みたいな話なので、あまり急ごうという気にならない。



「それじゃ、しばらくここでゆっくりしていくといい。ニーアも歓迎すると言っていたしな」

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