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Another fantasy ? 148 ?

「ところで、僕は一体どれくらい寝ていたんだ?それに今僕が着ているこのローブは?」

 すっかり忘れるところだった。

 世話をしてもらったお礼をいろんな人に言わないといけない。

 それには誰にどれくらい世話になったのか知っておかなくては。



「あぁ、眠ってたのは二日だな。一昨日の夜、戦い疲れて眠ってから今までずっと寝たままだったんだ」

「戦い疲れて?そういえば僕は寝るまでの記憶がないんだ」



 船上でオクトを前にクレディーと会話をしたその後。

 僕もちゃんと戦おうと思い、魔法を使おうとしたまでは覚えている。

 ただ何か呪文を唱えた後の、記憶がはっきりしない。

 覚えているのは炎のような赤と、何かに引っかかれたような頬の痛みだけだ。

 それ以上思いだそうとすると恐怖に似た感情が僕を襲う。

 死者の塔の記憶と似ている。



「あぁ、おまえの戦いっぷりな。見事なもんだった。別に心配するようなことは起きちゃいない。船の乗員も全員無事だったしな。怪我人は多かったが」

 僕はほっと安堵した。

 クレディーが言うならそうなのだろう。

 あまりお世辞を言う性格ではなさそうだし、正直なことを言ってくれたはずだ。



「それで、そのローブはニーアからの礼だ。あいつは器用な奴だからな、自分でローブを作ったりするんだ。それはあいつの手作り、出来は保証するぜ」

 彼女はニヤリと笑った。



 これはニーアという女性にはとてつもなく世話になっているらしい。

 僕も僕で何かお礼をしなくては。 

 僕が何をお礼にしようかと考えを巡らせていると、クレディーが僕の顔前に手を突きつけた。



「おっと、礼はいいんだ。礼に礼を返してたらずっと繰り返すことになるだろ?ありがとうって受けとっときゃそれでいいんだ」

 言う言葉が見つからない僕をよそにクレディーは立ち上がる。



「そんじゃ、もう昼飯の時間だ。もう飯は食べれるだろ?そもそも昨日も今日も何も食ってないんだ。腹減ってるんじゃないか?」

 クレディーの問いに元気よく返事を返したのは僕のお腹だった。


 :


 僕がキッチンに入るとおいしそうな匂いが鼻を突いた。

 その匂いに反応してまたお腹が鳴る。



 するとキッチンから誰か出てきた。

「あ、目が覚めたんですね」



 今キッチンから出てきた女性こそ、ニーアだろう。

 薄紫の長い髪を背中でまとめており、顔の横の髪にはいろいろな色をしたビーズのようなものを通していて、何か神秘的な印象を受ける。

 紺色のローブに、茶色の丈が短いズボン。

 ズボンの裾はふんわりと膨らんでいて、魔法使いのイメージそのものといった雰囲気。

 目は明るい水色で、その瞳から僕は思いだした。



「そうか!君か!」

 この人は最初ブレイズが戦っていたオクトを相手に奮闘していた女性だ。

 ただ、オクトの攻撃でどこか怪我してしまったらしく、オクトが海に逃げ込む際に起きた津波から逃げられずにいるところを、僕が支えてあげたんだっけ。



 あのとき彼女はフードをかぶっていたし、ずいぶんと汚れていたからすぐには思い出せなかったけれど、最後船室に送るときに見たこの瞳は間違いなく彼女のものだった。

「君が、ニーアさん?」

 僕が聞くと彼女はパット頬を赤らめ、うなずいた。



「ニーア・D・フィードといいます。ケイさんのことはほかの方々から聞きました」

 なんだかとても乙女な感じがするぞ、彼女は。

 クイットと始めた会ったときとは全然違う反応だ。  

 ふと思ったけれど、僕はエルフのクイットにこんな反応を求めていたのかもしれない。



「ご飯できてますので、どうぞ」

 彼女は頬を赤らめたまま、テーブルを手で示すとキッチンへと姿を消した。

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