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Another fantasy ? 149 ?

 クレディーは薄く笑みを浮かべて僕の肩に手をおくと、先に席に着く。

 僕はなんだかドギマギしつつも、クレディーの隣へと腰掛けた。



 しばらくすると、おいしそうな匂いと湯気を立ち上らせたシチューが宙を飛んでくる。

 驚いてみていると、その皿は僕とクレディーの前に静かに落ち着いた。

 続いてお茶の入ったコップにロールパンが2つのっかった皿、スプーンなどが飛んでくる。

 ニーアさんが魔法でとばしているのだろう。



 しばらくして、紅茶カップを従わせたニーアさんがキッチンから姿を現す。

「どうぞ、ご遠慮なく」

 彼女はにこやかに料理の皿を指し示すと、向かいに座った。



 僕は軽く頭を下げ、スプーンを手に取る。

 野菜のたくさんはいったクリームシチューはとてもおいしく、お腹の空いていた僕はがつがつと食べた。

 そんな僕をほほえましそうに見て、ニーアさんが口を開く。



「たぶんそろそろほかのみなさんも帰ってきますよ」

「ほかのみんな?」

 僕が皿から顔を上げると、彼女はこっくりとうなずいた。



「はい、クイットさんやマオさんもここに泊まってますよ。ブレイズさんはキトンさんについてクレディーの家にいますけど」

 僕だけでなくみんな彼女の世話になっているらしい。

 僕はいったん食べる手を止め、スプーンをおいた。

 礼を言うのに何かをしながらでは失礼だろう。



 ニーアは急にスプーンをおいた僕を驚いたように見た。

「あ、あの、お口に合いませんでしたか?」

「いえ!そんな!すごくおいしいですよ」

 僕があわてて顔の前で手を振ると、彼女はほっと胸をなで下ろした。



「あの、ではどうしました?」

 おずおずと彼女が聞いてくる。

「お礼を言いたくて」



 先ほど部屋を出たときに気づいたのだが、腕の怪我にも新しい包帯が巻かれていた。

 クレディーによればこれも彼女がしてくれたのだとか。

「怪我の手当もしてくれたみたいだし、服も新しいものを用意してくれて、しかも僕だけじゃなくてほかのみんなも泊めてくれてる。感謝してもしきれないよ」

 そういうと彼女は顔を真っ赤にして手を振った。



「い、いえ、そんなっ!感謝しているのはこちらの方です。足と一緒に肩も怪我していたので、ケイさんに助けてもらわなかったら、波に飲み込まれるか、モンスターにやられるか。もしハーピーが助けにきてくれたとしても、怪我が大きくなっていたでしょうし」

 彼女は少しうつむくともじもじと言った。 

 僕は必死に言う彼女を見て思わず笑ってしまう。

 するとつられて彼女も笑った。



「おいおい、なんだよ、あんたらさ。いちゃつくんなら食べてからにしな」

 クレディーが苦笑いを浮かべて僕らを見た。

 ニーアさんはまた顔を赤くして、ごめんと謝る。

 僕も一緒に謝った。



「別に謝る必要はないんだけどさ」

 でも別にいちゃついてるわけじゃないよ!

 僕が怒って言うと、クレディーは、はいはいと適当にあしらった。



 少し腑に落ちなかったけれど、まだお腹が満足していなかったので、僕は食事を再開した。

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