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Another fantasy - 153 -

 僕は紙に触れ、よけいなものを見ないように目を閉じると、紙に触れた指先にそっと魔力を送った。
 すると徐々に視界が明るくなっていき、ある情景が見え始めた。


 それは島のようで、島の中心には広大な森が広がり、巨大な木が生えている。
 表紙に触れたときに見えた情景はそれだけだ。
 僕は目を開ける。


 いつの間にかマオ君も紙に触れていた。
「これはこの島の映像みたいっすね」
 マオ君が言った。


 確かこの島の中心には大きな木が生えていて、そこには不思議な種族が住んでるとか。 
 僕はページをめくりめくった先のページに触れた。
 表紙の裏側には何も書かれていないらしく、その横のページに指を移す。
 すると何かが見え始めた。
 僕らは目を閉じる。


 今度見えてきたのは、森の中の景色だった。
 森の中を歩いている。
 視界が空を向くと、頭上を羽が6枚もある鳥が群をなして飛んでいくのが見えた。
 確かあの鳥はラメロという名前のモンスターじゃなかったか。


 鳥たちが飛んでいくのを目で追い、視線は前を向いた。
 目前には巨大な木の幹と地面を所々盛り上がらせている根、そして、その木の枝や根に作られた簡素な家々があった。
 そこで映像はストップする。


 今のページは以上のようだ。
 僕はみんなに一声かけ、ページをめくり、触れる。
 再び視界が白に染まる。


 今度は風景ではなく視界の中には何か生き物がたっていた。  
 生き物は全部で5体。
 どれも雰囲気がにている。


 一番左にいるのが標準的な見た目をしているようで、中肉中背、襟元にはひらひらしたフリルのようなものを巻き、薄手の布を体に巻いただけのような服装。
 その服はどこかしら花のつぼみのようにも見える。
 丸い人なつこそうな顔に、細長い手足。
 何か特殊な種族だろうか。


 左から2番目には、一番左の生き物と似たような服装ではあるものの、一番背が高く、全体的に細長い。
 真ん中には顔も体も横に大きなふくよかな体型で、背が小さめの生き物。
 その横には背は少し高め、すっきりとしたラインでピンクの布を身にまとった、女性らしい生き物。
 そして最後、右端には背の高い者と比べると半分ほどしか背丈のない小さな者。


 じっと立っている様子の彼らを見ていると、不意にその足下に何かが浮き出てきた。
 文字だ。


 各生き物の足下に文字が浮かび、左から、ナム、ニム、ヌム、ネム、ノム。
 彼らの名前だろうか。
 しばらく見つめていたけれど、それ以上の変化はなかった。


 僕は隣のページへと指を移す。
 今度は文字ばかりだった。
 どうもさっきの生き物についての解説らしい。


 僕はざっと読み、大体の内容を頭に入れた。
 それによると、彼らこそ、この島の先住民たちの代表的な見た目らしい。
 彼らの血は5つに分かれ、それぞれ、名字をさっき出てきた、ナム、ニム、ヌム、ネム、ノム、というのだとか。
 各血筋で、芸術肌だとか、力持ちだとか、女っぽいとか、いろいろな特徴があるらしい。


 そして全体的に魔法が得意ならしいのだ。
 彼らは特殊な魔法を使うことができ、その魔法は空や天気にまつわるもの。
 人が好きな種族らしく、訪れた人に魔法を教えてくれることもあるそうだ。
 背丈は普通の人の膝から腰ほどまでしかない小さな種族だと書いてあった。 


 他にもそのページには彼らが巨木の民と呼ばれている、とか、島の中心でどのような生活をしているのかが子細に書かれていたが、そのことはあまり関係ない。
 気になるのは彼らが使う魔法のことだ。
 もしかしたらその魔法を教えてくれるかもしれないという。


 何もせず島でぼんやり過ごすよりか、ちょっと遠くても彼らの元に出向いていって魔法を教えてもらった方が今後のためだろう。
 ただ、空や天気にまつわる魔法、というだけではぱっとしない。
 いったいそれはどんな魔法なのか。 


 紙束にはまだ数枚ページが残っている。
 もしかしたらこの先のページに彼らの使う魔法についての解説が書かれているかも。
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