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Another fantasy - 154 -

 僕が目を開けるのと、クイットが目を開けるのはほぼ同時だった。
 僕は目線で合図を送り、マオ君にもよけてもらうと紙をめくる。


 次のページは見事予想が当たり、先住民の彼らが教えてくれる魔法の解説が乗っていた。
 彼らの魔法は特殊で、普通学校で教えてもらうような、火を出したり、水を出したり、明かりをつけるものとは違うらしい。
 風を使ったり、日の光を使う、一風変わったものだそうだ。


 どのようにして魔法を伝えるのかは、秘密、ということで、魔法を教わってみないとわからない。
 人が集まりすぎるといけないので、魔法の習得方法については他人に教えることができないように魔法をかけられるとか。


 そんなに徹底して、魔法の伝わり方を秘密にすることはないだろうが、それが彼らの伝統なのだそうだ。
 ただ、彼らに、こんな魔法を教わった、というのは他言でき、紙の残りのページには、今まで先住民に教わった魔法について作者が知っている限りのものが記されていた。


 雲に乗って飛んでいる図、人の背中に魔力の結晶のような、水のような透明の羽が生えている図、小さな雲から雨を降らしている様子など、彼らが教えてくれるのは飛んだり、小さく天気を操るような魔法のようだ。


 そして最後のページをめくると、今まで実写、本物そっくりだった映像が一変、いきなり絵画的な光景が目前に出現した。
 その光景には先住民らしき小さな生き物たちと共に、彼らと同じくらいのサイズの人が何人か飛び回っている。
 空は不思議なオレンジ色に輝き、夕焼けや、夜明けの暗さはないが、どこかその時間の光を思わせる色に空は染まっている。
 雲の切れ間から光が射すように所々カーテンのような筋が延び、その光の中心には大きな生き物たちが空を群れて飛んでいた。
 ドラゴンのようなものや、魚のようなもの、鳥や獣、さまざまな生き物の形をしたものたち。
 ただ、彼らには大抵羽が生えており、その背中には人が多く乗っている者もあった。
 その光景は全く動きのないものだったが、ゆったりと泳ぐようにそれらが空を飛んでいる様子が想像できた。


 あの生き物たちはいったい何なのだろう。
 そして、先住民の彼らと同じくらいの大きさの小さな人たちはいったい何者なのだろう。
 先住民たちに会いに行けば、あの空を泳ぐ生き物に会えるのだろうか。
 人が乗っているところを見るとあの生き物たちに乗れば海を渡れるんじゃないだろうか。
 だとしたら船の修理を待たなくても、メルタに、ヘイブグレアに行くことができる。
 いや、うまくいけば火山まで直行できるかもしれない。


 僕は映像を脳裏に焼き付け、ページから指を離した。
 目を開けると、周りの景色が戻ってくる。
 徐々に音も聞こえ始めた。


 みれば、マオ君がひのたんに今までの映像を説明しているところだった。
「この映像はメイルが?」
 クイットもメイルと話をしている。
 彼女の質問にメイルはうなずいていた。


 どうやってこの魔本を作るのか、僕は知らないが、彼女は作り方を知っているらしい。
 やはり特殊な魔法が必要なのだろうか。
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