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Another fantasy - 161 -

 森の中は大変なことになってしまい、姿を現した原住民達も今はどこかに行ってしまったが、ともかく、目的の森の中心の巨木へと向かうことにしよう。
「いこうか」と僕はみんなに声をかけ、再び歩き始めた。


「なんかそわそわするっす」
 僕らが再び前に進み始めたところで、マオ君が独り言のような小さい声を出した。
「そわそわ? また近くに何かいるの?」
「いや、モンスターとかそういうのが近くにいるってんじゃないんすよ。もっと違う何かが近くにあるような」
 僕が聞くとマオ君はもごもごとそう言った。


 いる、じゃなくて、ある、か。
 何か気になるが、モンスターじゃないようだし、まるで生き物じゃないような言い方からすると、さし当たっての危険はないようだ。
「まぁ、気にしないでくださいよ。危険そうなものじゃないんで」
 マオ君はいくらか軽い調子で言った。
 なら大丈夫だと信じておこう。 


 そこで僕らの間から会話はなくなった。
 さっきの戦闘での疲れもあり、あまりおしゃべりをするような気分じゃなかった。
 しかし、口が動かない分頭の中はよく動く。


 まず、僕が考えたのは、先ほどの奇妙な女の子のことだ。
 クイットの言うようにどことなくビシウスと雰囲気が似ている。


 そして、彼女が現れる前に吹いた突風。
 あれは自然なものではない、と言うことは、彼女が起こしたものだ。
 彼女の背中には左右形の違う大きな羽が生えていて、その羽で空を飛ぶ。
 飛び上がるときにも強烈な風が吹いたがその風は、彼女が現れたとき襲ってきたものよりは、かなり規模の小さなものだった。
 彼女が出没したときの風は周りの木々をなぎ倒すほどの破壊力があり、僕が思うにそれは彼女が魔法で出したものなのではないか。
 あれだけの力の風を起こすとなると、相当な魔力が必要になるだろう。
 実際マオ君にかばってもらわなかったら僕らは吹き飛ばされ大怪我を負っていた。
 運が悪ければ気の枝に刺さったりして死んでいたかもしれないのだ。
 だから、彼女は相当な魔力の持ち主、そして、僕らを攻撃するつもりでいた、ということだろう。


(あんた、暇になるとすぐいろいろと考え込むよね)
 いきなりバリアの声が僕の思考の中に割って入った。
(そりゃさ、こんなよく分からないことがあったら誰でも考え込んじゃうでしょ?)
 最近僕の身の回りでは一筋縄ではいかないことばかりだ。
 いつも複雑でよく分からない。
 今回のことだってなぜあの女の子は僕らを襲ったのかちっとも分からなかった。
 結局特に危害は加えられなかったからいいんだけど、彼女の目的がなんだったのか気になる。
 もし、彼女が何らかの目的があって僕らの前に現れたのなら、さっき彼女が目的を達成したような様子はないことだし、また僕らの前に現れるんじゃないだろうか。


(確かにねぇ。あの様子じゃ、またなんかしにくるね、奴は)
 バリアも僕の考えに賛同した。
 彼女は僕の記憶についてや、心の中のことについては自分のものと同じように、手に取るように分かってしまうようだ。
 今では勝手に考えごとに意見を言われてもすっかり慣れて、普通に意見交換したりしている。


 ぼくは、やっぱそう思うよね、と返事を返した後、ふと思いついて、もう一度バリアに話しかける。
(そういえば、さっきの子悪魔に似てたけど、バリアのいたところにあんな人いなかったの?)
 バリア、そしてキルアは僕らとは違うところで生活していたという話だ。
 違うところというのがどういったところなのかはよく分からないが、世界が違う、というのが一番しっくりくるかもしれない。


(そ、そーね。確かに悪魔みたいだった。典型的な悪魔の見た目かな)
 典型的な悪魔?
 やはりバリアは僕が知らないような情報を持っているようだ。
 僕が質問するまで教えてくれなかったのは何か理由があるんだろうか。
 心なしか答える声が慌てている風に聞こえたし。


 こういうとき、バリアはずるいな、と思う。
 僕の心の中とか、あまり見せたくないところがバリアには全部見えてるのに、僕の方からじゃ、バリアやキルアのことは、向こうが話してくれない限り何にも分からない。
 しかし、そんなことは今に始まったことじゃない、とりあえず今聞くべきは、悪魔についてのことだ。
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