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Anotehr fantasy - 163 -

「また何か考え込んでる?」
 僕がまたうつむいてしまっていると、クイットに肩をつつかれた。
 どうも僕は考えごとを始めるとうつむいてしまうらしい。
 これでは僕が考えごとをしているかどうかすぐに分かってしまうな。 


「あぁ、海を移動できるような魔法とか方法が、ちゃんと見つかるかな、と思って」
 それから、ビシウスについてのことも、僕の頭の中ではまだ引っかかったままだ。
 クイットはきっと、ビシウスが一般的に悪魔と呼ばれている生き物だということを知らないだろう。
 これは言うべきなんだろうか。
 僕が苦笑いで場をごまかしながら考えているとバリアが口を挟んだ。


(あ、言わない方がいいかも! 見た目的には悪魔の特徴と一致してるけど、私の知らない種族もいるだろうからさ。もしかするとただ珍しい種族だっただけ、とかいうのもあるかもしんないし)
 なるほど、確かに世の中にはびっくりするほどたくさんの種族がいる。
 僕らみたいな普通の人間、それからクイットみたいなエルフや、キトンやブレイズみたいな、ヴィクマー族とか、もっとほかにもいろんな種族がいる。
 全部で一体いくらいるのか分からないけれど、すべて把握している人なんていないんじゃないか。
 そういう人がいたにしても、ほんの数人だろう。


 僕がぼんやりまた考えごとをしている横では、マオ君、ひのたん、クイットが3人で楽しげに話をしていた。
 彼らの話を聞くともなしに聞きながら、歩いていると、徐々に巨木が近づき、それにつれ道がだんだんと開けていく。
 細々と出ていた木の根っこも減っていき、大きな根が時折でこぼこを作っているだけになった。
 地面をみる必要がなくなり、顔を上げると、思ったよりずっと近くに巨木が迫っている。
 僕は思わず木を見上げた。
 クイット達も僕につられて、木を見上げた、ような気配がした。


 クイット達が一旦足を止めたので、僕も立ち止まったまま木を見る。
 巨木はこれまで見たものの中で何より大きく、存在感があった。
 どれだけの時間をかけて大きくなったんだろう。
 人々が生まれるその前からこの木はあって、世界を見守っていたんじゃないか、そんな気がした。


 木からはたくさんの枝が伸び、そのいくつかに小さな家のようなものが見える。
 確かそれらが原住民達の家だ。
 あと、地面の近く、根の間にできた空洞にも原住民達が暮らしているとか。


「早く行ってみよう!」
 クイットが巨木へ向かって手を振り、駆けだしていく。
 その後をひのたんとマオ君がついていった。
 僕も遅れまいとその後に続く。


 原住民達の姿はなく、僕らはすぐさま、巨木の前へ着いた。
 メイルの家で見た情報によれば、本来なら誰かしらここにいるらしいのだが、なぜか今は何の気配もない。
 さきほどの女の子の件で警戒されているんだろうか。


「ね、触ってもいいのかな?」
 クイットがより一層木に近づきながら僕を見た。 
 僕は首を傾げる。
 それから、僕は何となく頭上を見上げた。
 頭上は巨木の枝や葉に覆われ、所々隙間から暖かな日差しが指している。
 この景色を見ながら、日の光を浴びていると、なんだかすごく癒される気がした。
 船の上では気分が暗くなったり、体の調子がおかしくなったりしたけど、ここにいると、そんな体の内側も光に照らされていくような感じがする。


「どうしたらいいんだろう?」
 僕は話を聞こうと思っていた原住民が全く姿を現さないので、戸惑いながら、一歩木へと歩み寄った。
 巨木には手をのばせば届く距離だ。
 しかし、この木には勝手に触れてはいけないような気がする。
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