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RAINBOW STORY - 60 Quest -

「え~、生徒は全員揃ったようですね」
 広い食堂の中、各方向から同じ声が響いた。


 食堂はとても広く、学校中の生徒も裕に入れている。
 といってもブランによればそれは生徒数が今減っているからであって、昔食堂はもっと込み合っていたらしい。


 それでも騒がしく普通に話したのでは聞こえないので、そこらじゅうに取り付けられたスピーカーフル活用である。
 話しているのはこの学校の教師、声からすると女性のようだが、姿は見えない。
 どこか離れた所でマイクかそれに近い機械を使って話しているのだろう。


「では、これから明日の予定を説明したいと思います。」
 私達はこの学校に入学しているわけじゃないけど、フェザー君とレイさんはまだ保健室だから代わりに私達が話を聞いて伝えてあげないと。


「食べながらでいいので聞いておいてください。見ての通りこの寮以外は謎の襲撃でぼろぼろです。幸い学校以外に被害は出ていないようですが、このままでは授業を行うことができません。学校の修理費がいくらか政府の方から支給されますがきっと支給された額だけでは足りないでしょう。仮に直すお金があったとしても、すべて直すにはかなりの時間がかかると思われます。ここは生徒教師協力し、「クエスト」をこなしお金を溜めましょう!!そして修理費や人件費を稼ぐのです!」


 クエスト!
 そういえばさっき、ぽよの話の中にもクエストという単語がほんのちらりと出たけど、この世界にもクエストというものがあるんだ!


 クエスト、つまり依頼でしょ?
 冒険の!
 これはゲームとファンタジー好きの私からすればクエストを受けて冒険だなんて夢みたいだ!


「しばらく授業はできませんので、クエストのランクで成績をつけ、卒業試験もクエストにします。評価はクエストのランク、そして、報酬から主につけますので、なるべく高ランク、なおかつ稼げるクエストを受ければ卒業が早まります。卒業すれば晴れて冒険者の仲間入り、冒険者バッチが授与され、クランに入ることもできるようになります。ぜひがんばっていただきたい」


 辺りの学生たちがざわめいた。
 早速各テーブルでは次の日の相談を始めている。
 これだけの人数の人が動けばかなりの量の仕事がはかどるだろうなとぼんやり考えた。


 するとまたスピーカーから声が聞こえる。
 まだ話は続いているようだ。


「ちなみにグランドの方は使用できますので、武器の稽古をつけてもらうくらいはできるはずです。もちろんクエストだけでなく学校修復の手伝いは大歓迎です。明日は各クラス簡単な指示を担任から受けてから動いてください。以上!」
 ここで話は終わりらしい。


 私はお茶(だしをとる植物は違えど、お茶はお茶のようだ)を口に含んだ。
 なにやら大変なことになってしまったようだ。
 それにしても私はこれからどうすればいいのだろう?
 誰か冒険のメンバーを見つけろ、くらいしか指示はなかったもんなぁ。
 このまま場に流されるままで本当にチャイは見つかるんだろうか。


「ねぇ。ねぇってば! アイル!」
「ん?」
 声がし、振り返るとそこには見慣れた青いゼリー状の体。


「あぁ、ぽよか。なんか用?」
「なんか用って……。君チャイってねこボンを探してるんでしょ?」
 私は慌てて頷いた。
 まるで心を読んできたかのようなタイミングだ。
 さすがのこの青いのも、心を読むような力はないと思うけど。
 あったにしてもまさか勝手には覗かない……よね。


「それなんだけどあいつからこんなクエストを受け取ってるんだよ」
 あいつ?
 緑のぽよのことだろうか。


 私はぽよがふわふわと漂わせている書類を手に取った。
 こういったクエスト用の書類は、リリスの話によるとクエシートと呼ばれ、依頼についての詳細な情報が書かれているらしい。
 私が受け取ったその紙の束は、広げてみれば地図が数枚と、走り書きのようなメモがついているだけだった。


 私の横に座っていたリリスとフレアが私がぽよから何か受け取ったのに気づき、手に持ったフォークとナイフを置く。
「なぁに、それ? もしかして、クエシート?」
「う、うん。みたい」
 私が答えるとフレアの目が輝いた。


「おぉぉ!! 俺一回クエストやって冒険したかったんだ!!」
「私も! ……だけど、私達は情報集めとかいろいろとやることがあるし……。アイルのことについては後でみんなで相談しないと」
 リリスは少し離れた所にブランと一緒に座っているブラストさんとフラウを見た。
 ……ブラストさんはクエストっていってもなかなか気乗りしなさそうだなぁ。


「とにかくさ、その洞窟に君の探しものがあるから。そそ、それとその洞窟周辺はまだほとんど未開の地だから、お宝とかも一杯あるかもね」
 その言葉にその場にいた私を含め3人の目が輝いた。
 お宝、これぞロマン!!
 そんなことを考えクエシートを見つめる私の肩にぽんと手が置かれた。


 何気なく振り返ると、そこにはあまり友好的そうでない笑顔を浮かべた先生らしき人が。
「話があるので後で全員揃って私の部屋にきなさい」
 私はその時妙に心臓がどきどきして、いきなりの命令口調に文句を言うこともできなかった。
 だ、だって私、今まで職員室に呼び出し食らったこととかなかったもん!

>61話へ
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