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鬼畜と心配性とサポート役 第1章 2話

「静かに!本校の入学式では、いちいち生徒の呼名をしたり長い間話を聞く必要はありません。学校生活の簡単な注意と、教員の紹介のみとします。」
 壇上で話すその中年の男はいかにも教師ですといういでたち。
 頭の上が少し寂しくなったどこにでもいるような人だった。


「え?私は数学担当で・・・」
 男は自己紹介を始め、他の教員達もぞろぞろと壇上に上がっていく。


 帝はというと、話をあっさり聞き流していた。
 有栖や黒は一応話を聞いている。


 そして最後に壇上に上がり、自己紹介を始めた、女教師に注目が集まった。
「1年B組担任、凍静 冷華(トウジョウ レイカ)です。よろしく。」
 その教師はそう言うと軽く頭を下げる。


 彼女はとても若く、他の年取った教員達と比べてかなり浮いた存在だった。
 歳は20代くらい、長めの少しカールした髪を後ろで束ねており、ふちの青いメガネが印象的だ。
 薄く微笑んではいるが冷酷そうなイメージを受けた。


 そしてその教師で紹介は終わり、司会らしき教師を残して、他の人たちは全員ステージから降りる。
 その後司会の教師はいろいろと注意事項を話していたが、その声は生徒たちの耳に届くことはなく、生徒達の話題はほぼ全て先ほどの若い女教師のことばかりだった。


                             :


 式が終わり教室へ移動する帝たち3人を含む生徒一行。
 だが、まず最初につれてこられた部屋は自分達の教室ではなく、そこより少し広い別の部屋だった。
 ざわつきながらも生徒達は担任であるうわさの若教師、凍静の後に続き部屋へと入っていく。
 

 すると部屋に入った生徒達から歓声が上がった。
 部屋の中には職員室においてあるような大きめの机がずらりと並び、その上には所狭しと最新型の様々なノートパソコンが置かれていたのだ。
 

 生徒達はそれをパソコンだと認識するなり飛びついていく。
 まだ何もいわれていないのだが、自分のものと言い張りパソコンの前に陣取るもの、勝手に電源を入れるもの、べたべたとさわりまくるもの、いろんな人がいた。
 

 凍静はそれを何も言わず冷ややかな目で見ると、部屋の奥にあるホワイトボードの前へ立つ。
 そしてクラスの生徒全員が部屋に入ったのを確認するとよく通る声で話し始めた。


「このパソコンにあなた達の学習に必要な教材、情報、問題がまとめられたソフトがダウンロードされています。これを各自支給しますから、好きな方のものを選んでください。ちなみにさわったり電源を入れた場合は責任持ってそれを持ち帰ってください。全員受け取り次第教室へ向かいます。」
 とうじょうは「どうぞ」というように片手を差し出した。


 それを合図に生徒達はこぞってパソコンめがけて突撃していく。
 帝たち3人は他の生徒立ちより少し遅れて、パソコンの元へと近寄った。


「へ?ぇ、最近はこんな薄いのもあんのな。」
 有栖はしげしげとパソコンを眺める。
 そんなとき
「あなた達が例の3人ね。あなたが帝君?」
 凍静がいつの間にか3人の背後に立っていた。


 黒は驚いた表情をしているが、アリスと帝はまったく動じず、くるりと振り返る。
「そうですけど、どうかしましたか?」
 帝は優等生らしい微笑を浮かべ、にこやかに返事を返す。
 凍静は二人があまり驚かなかったことを意外に思ったのか、方眉を少し上げた。


「えぇ、帝君のお父様から、あなたたち3人に特注のパソコンが届いているわ。」
 凍静はすぐに先ほどまでの冷静な表情に戻り、3人にそう告げた。
 黒はそれを聞き自分たちまでパソコンを特注してもらっていいのか?と、帝を見たが、帝はそんなこと微塵も気にしていないようだ。


「あなたたちのものは別室に保管してあるの。今から取りに行ってくるからここで少し待っていてくださいね。」
 凍静は薄く微笑むと部屋を出て行った。


「にしてもずいぶんと冷たそうな先生だな。他のやつらは若いことにしか目が行かないようだけど。」
 有栖が周りを見ると様子を見ていた男子達があわてて目をそらした。
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