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鬼畜と心配性とサポート役 第1章 5話

 帝の部屋にはいくつかダンボールが積んであったが、ソファや棚など大きな家具は設置済みだ。


 部屋は普通の家庭のリビングの10倍ほどの広さがあり、部屋に入るとすぐに大きなガラス窓があった。
 そのため部屋は開放的で、大きな窓からはきれいに整えられた花や植木が見え、春の明るい雰囲気に満ちている。


 ほかに部屋には広いバスルームとトイレ、ベッドルームがついていた。
 全体的にとても広々とした空間だが、本帝邸に比べればまだまだ劣る。


 帝は家の部屋より狭いと思いながらもダンボールを開けた。
 箱の中には本や時計、CDなど小物がいろいろと入っている。
 帝は箱の中身を一瞥すると、すっと人差し指を動かした。


 すると箱の中に入っていたものがひとりでに動き始める。
 時計はきちんと壁にかかり、CDは机の上に並んだ。
 たくさんの本も全て順番どおり並んで棚に収まる。
 他の箱に入っていた服などもきちんとしわを伸ばされ、たんすの中へとしまわれた。


 そうしてあっという間に帝は部屋の片づけを終える。
 片づけを終えてしまえば特にすることはないので、帝は有栖の部屋を覗きに行って見ることにした。


 帝は部屋を出て鍵を閉めると、有栖の部屋のドアノブに手をかける。
 鍵は開いているようだ。
 帝はノックもせずためらいなく部屋に入った。
 この辺は実に世間知らずなお坊ちゃんらしい。


「あ?あぁ・・・帝か。脅かすなよ?。」
 有栖はいきなりずかずかと入り込んできた帝を見て驚きの声を上げたが、それ以上は何も言わなかった。
 帝の自己中心的行動には慣れっこである。


 そして有栖はというとどういうわけか敷布団を抱えていた。
「・・・零斗。何だ、ソレは。」
「あ?見たとおり布団だけど。」
「いや、それはわかるが・・・。ベッドは?」
「ベッドォ?そんなのに寝ねーよ!俺は断然敷布団派だ!」
 そう言うと有栖は部屋のふすまに向かう。


 ・・・ふすま?
 

 有栖の部屋は基本的に帝の部屋と作りは変わっていない。
 つまり基本洋風だ。
 室内は帝より家具は少ないものの、漫画やゲームなど小物が多いのが目立った。
 

 しかし部屋の中で何より目立つのが当のふすまである。
 帝の部屋でいうとベッドルームへのドアがある場所にふすまがあった。
 帝はずかずかと有栖の先を行き、勢いよくふすまを開ける。
 

 現れたのは洋式の部屋にふかふかベッドではなく、畳の敷かれた和室とどこぞの猫型ロボットでも入っていそうな押入れだった。
「どいた、どいた!」
 有栖は呆然としている帝を押しのけて部屋に入ると押入れに布団をしまい始める。
 

 帝はなんとなく胸騒ぎがして次はバスルームを覗いた。
 案の定帝の目の前に現れたのは石床に木の壁、そして立派な五右衛門風呂。
 さすがにトイレは洋式だったが。


「よし、準備完了!」
「零斗!何で洋の中に和が!!」
 帝は急いで和室から出てきた有栖に詰め寄り再び食って掛かった。


 ちなみにその二人の頭上にはシャンデリアが光り輝いている。
「え、え?っと・・・俺の急な要望。」
「どうせ和風にするなら統一しろ!何だ、このシャンデリアのいらない洋風!!」
「まぁ、そう言うなよ。お前には迷惑かかんないだろ?」
 帝はようやく眉間にしわを寄せながらも黙った、


「それよりか、そろそろメールが届く時間じゃないか?」
 帝が時計を見ると時間は1時を回っていた。

                               : 

 帝は部屋に戻りパソコンのスイッチを入れる。
 学校で受け取ったノートパソコンはすでにいろいろと面倒な手続きなんかは終えてあった。
 

 そしてパソコンをつけてすぐに新着のメール案内が表示される。
 早速来たか、と思いながら帝をマウスを動かした。
 

 このメールというのは毎日学校から配信されるもので、そのメールに次の日に必要なものや連絡等が書かれている。
 他に学校の行事予定表なんかも配信されるらしい。
 

 早速開いてみたメールの持ち物欄にはまだノートパソコン、としか書かれていなかった。
 きっとこれから持っていくものは増えていくのだろう。
 帝はメールの続きに目を通す。
 

 メールには他に明日の予定が書かれており、明日はクラスで写真を撮ったり、またいろいろと説明があるとのこと。
 そして写真を撮るため明日は制服または式服で来るように、という指示が書かれていた。
 

 ちなみに島の高校は私服OKだが、一応制服もある。
 私服に対する生徒の反応はまずまずでクラスにも数人制服を着ている生徒がいた。
 帝はとりあえず明日はスーツにしようと思いながら、パソコンの電源をきる。
 

 そのとき強く部屋をノックする音が聞こえた。
「帝?、メシ!」
 有栖の気の抜けた声がドアの向こうからする。
 

 帝はまだ昼食を取っていないことを思い出した。
「よし、メシにするか。」
 帝はそうつぶやくと、部屋を後にした。

                               :



 そんなこんなで彼らの島での生活はスタートしたのである。



 そして彼らはある日の出来事をきっかけに面倒に巻き込まれていくことになるのだった。
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